マウスピース(マウスガード)は口腔内のケガや歯の外傷予防などを目的として、ラグビーやアメリカンフットボールなど、主にコンタクトスポーツ(接触の多いスポーツ)ではよく使われている装具の一つです。最近では比較的接触プレーの少ない野球選手でも、マウスピースを使用している様子を見かけるようになりました。高校野球選手においても2010年以降、マウスピースの使用は規程で認められています(ただし白色か透明なものに限る)。野球選手にとって口腔内を守るためのマウスピースはどのような効果が期待できるものでしょうか。

《強い噛みしめから歯と顎(あご)を守る》
バッティングのスイング時や投球時などに「歯をくいしばって」プレーしていることがあります。本人はあまり気づいていないかもしれませんが、これを何十回と繰り返し、毎日繰り返していると歯の摩耗(咬耗:こうもう)だけではなく、顎の位置がズレてしまって顎の痛みを引き起こしたり、ひどいときには歯の欠損や頭痛などを誘発することがあります。顎関節を保護するという意味でもマウスピースは効果が期待できる装具と言えるでしょう。

《直接的なスポーツ外傷を防ぐ》
野球では歯の欠損や口腔内のケガはさほど多く見られるものではありませんが、他の選手と直接接触したり、フェンスにぶつかってしまったりすることで口の中をケガすることがあります。また守備中のイレギュラーバウンドが顔付近に当たったり、デッドボールで顔付近にボールがきて当たってしまう、よけようとして転んでしまうといったケースなども想定されます。こうした接触によるケガを防ぐという意味でも、マウスピースは使用することによって安心感を得られることが考えられます。

《パフォーマンスに影響する?》
マウスピースを装着することで体のバランスが整い、パフォーマンスアップに貢献するのでは?という期待がもたれていますが、その効果については今のところ解明されていないとされています。またパフォーマンスアップ効果が見られるようであれば、スポーツの公平性を欠くことが懸念されるため、あくまでもケガの予防として用いられることが望ましいと言えるでしょう。

参考ページ)マウスピースがなぜパフォーマンス向上につながるのか(銀座大幸歯科)
http://www.daiko-dental.com/daiko-note/all/consideration/949.html

文:西村 典子
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