野球に限らず腰痛はどのスポーツにおいてもよく見られるスポーツ傷害の一つです。スポーツでは体の曲げ伸ばしや、ひねり動作を伴うことが多く、この他にもジャンプによる着地の衝撃などさまざまな外力が腰背部にかかります。ケガをしたときは患部を冷却するアイシングなどが一般的ですが、腰痛は「冷やした方がいいのか、温めた方がいいのかわからない」と悩む選手もいることと思います。今回は腰痛に対するアイシングと温熱によるケアの使い分けについて、それぞれのケースを挙げてみたいと思います。

《冷やした方が良い場合》
基本的にはケガをした直後から2、3日間の急性期と呼ばれる時期は患部を冷やすようにします。いわゆる「ギックリ腰」と呼ばれる急性腰痛症などもまずアイシングを行って、痛みや炎症症状を抑えるようにしましょう。この他にも運動中や運動後に痛みが出る場合、じんじんとした痛みが続き、腰に手を当てると熱っぽいと感じる時などは練習後にアイシングを行うようにします。ただしアイシングはあくまでも応急手当の一つであり、冷やすことで筋肉が硬くなりやすいため、炎症症状がおさまったら温熱ケアに切りかえたり、筋肉の柔軟性を高めるようにするようにしましょう。

《温めた方が良い場合》
腰痛にはさまざまな要因がありますが、特に筋肉の柔軟性が低下して起こる腰痛の場合や、長引く腰痛(10日から数ヶ月以上)の場合は患部を温めて全身の血流を促すとともに、筋温を高めるようにします。この場合は痛みの直接的な原因が患部に限らず、他の部位のコンディション不良などから起こっていることも考えられるからです。例えば足首の硬さが要因となって腰背部に負担をかけている場合や、臀部の柔軟性が低下している場合などです。入浴時に湯船につかって体が温まると腰痛がやわらぐという場合も積極的に患部を温めるようにしましょう。入浴時以外に患部を温めるときは濡らしたタオルをラップでくるみ、電子レンジで30秒程度温める蒸しタオルが手軽で使いやすいと思います。ただし温めた直後はかなり熱くなっていますので、やけどには注意して取り扱うようにしましょう。

腰痛の場合も他のケガと同様に一度は整形外科を受診して、診察や検査などを行い、その原因を把握することが大切です。その上で改善に向けてできることを医師と相談し、患部のケアとともに実践していくようにしましょう。

文:西村 典子
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