ケガの報告は早めにしよう
自分のプレーがしっかりできるよう、ケガは早めに報告して対応しよう。
練習や試合などが続くと体力的な疲労はたまりがちです。セルフコンディショニングで自分の体をケアすることは野球選手にとって必ず行ってほしいことですが、それでもアクシデントや疲労によるケガは起こることがあります。「ケガをしてもプレーができるから大丈夫」と続けているとやがて慢性的なケガへと移行し、気がついたら自分らしいプレーがまったく出来なくなっていることもあります。ケガの報告はなるべく早く行い、ケガを隠してプレーをすることのデメリットを確認しましょう。
●ケガが長引いてしまう
まず挙げられるのが、ケガの状態をそのままにしてプレーを続けると、ケガが長引いてしまうことです。早めにケガの部位を安静にして適切な診療・セルフコンディショニング等を行うと、たとえば一週間で競技復帰できるところが、そのままの状態でいざプレーできないとなったときは一ヶ月、二ヶ月と競技復帰に時間がかかってしまう傾向にあります。患部への外敵ストレスが続くことでケガの状態が悪化し、治癒までに時間がかかってしまうためです。自分のプレーが中途半端になってしまったり、全力でプレーできないと判断したときは早めに報告をしてまずはケガの状態を改善させるようにすることが大切です。
●選択肢が少なくなる
肩や肘の投球障害など長引く慢性的なケガをそのまま放置していると、最初はリハビリテーションや筋力トレーニングといった保存療法(手術をしないで治療をすること)で改善が見込める状態であっても、やがては患部の損傷が激しくなって手術を余儀なくされるといったケースがあります。もちろん最初にリハビリ等を行っても改善しない場合は手術をすることもあると思いますが、だましだましプレーをしているとケガの回復に関わる選択肢が少なくなっていくのです。手術を選択すると保存療法に比べて時間がかかることが多く、高校野球でプレーする2年半のうち、かなりの時間を奪われることにもなります。
●悪いことほど早く報告して対応しよう
「悪い報告ほど早く」という意識を持ちましょう。良い報告はすぐにでも行うものですが、悪い報告(たとえば不注意でケガをした等)を報告することに戸惑ってしまうことは十分理解できます。ただ先手先手を打たないとケガからの回復が遅くなることは明らかです。過去のこと(ケガをした事実)を正直に話し、もし不注意によるものであれば反省して今後起こらないように対策をとること、そして競技復帰に向けて前向きに取り組むことが高校野球での「時間ロス」を防ぐことにもつながります。
ケガの状態が良くないときには早めに報告・相談をして、競技復帰に向けた対応を行うようにしましょう。
文:西村 典子
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