普段から「体づくりのため」「パフォーマンスアップのため」と食事に気を配る選手は少なくありません。筋肉を太く大きくするためには食事量だけではなく、その内容も考える必要があるからです。この他にも食事を意識することで「集中力」を高めることも期待できます。集中力を高めるためにはどのようなことを意識すればいいでしょうか。

【集中力を高める栄養素をとる】
《ビタミンB1》
疲労回復に効果が期待されている栄養素ですが、ビタミンB1はご飯やパンなどに含まれる糖質を分解してエネルギーに変える働きをもっています。糖質は体を動かすエネルギー源として使われますが、同時に脳を働かせるエネルギー源としても働きます。

 集中力が求められる場面では脳の働きがパフォーマンスを左右するため、食事時には摂取したい栄養素の一つです。代表的なものは豚肉ですが、この他にも玄米などの雑穀類、大豆製品、ブロッコリーなどにも多く含まれます。

《DHA(ドコサヘキサエン酸)》
DHAとは体に必要不可欠な必須脂肪酸(オメガ3系の脂肪酸、いわゆる脂質)です。体の中でも脳や目の網膜、心臓(心筋)などに多く含まれていますが体内ではほとんどつくられず、食事を通して摂取することが必要です。DHAをとることで、脳の働きをよくして集中力や判断力を高める効果が期待できる栄養素です。青魚に多く含まれることが知られており、DHAを多く含む食材としては、さんまやあじ、さば、ぶりなどが挙げられます。

【昼食の食べ方にも気を配る】
お昼ごはんを食べた後にどうしても眠気が襲ってしまい、授業中にうつらうつらしてしまう…といった経験のある選手は少なくないと思います。昼食時に糖質の多い丼物や麺類などで済ませてしまうと、急激に血液中の血糖値が上がり、これを制御するために分泌されるインスリンというホルモンによって眠気や集中力の低下などをもたらすと言われています。

 これを防ぐためには食事前に野菜ジュースを飲んでみたり、食事時に野菜から食べ始めたりといった工夫をしてみましょう。最初に食物繊維の多いものをとることで、食事による急激な血糖値の上昇をおさえることが期待できます。栄養バランスという点においても野菜は積極的にとるようにしましょう。

【早食いを避けてよく噛むこと】
食事は流し込むように食べるのではなく、よく噛んで食べることが大切です。咀嚼によって唾液の酵素が分泌されて消化・吸収等の助けになるだけではなく、よく噛むことは記憶を保存する海馬や脳の前頭前野などが活性化し、集中力が高まると言われています。柔らかいものばかりを食べるのではなく、食べ応えのあるものをしっかりと噛んで食べることも心がけましょう。

文:西村 典子
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