瞬発力を高めるトレーニングの注意点
体全体をメディシンボールを使ったスローイングでパワーアップをはかろう
12月からのオフシーズンを経て、いよいよ3月には練習試合ができるようになります。基礎体力をつけた体は見た目にも、体を動かす際にも変化が現れているかもしれません。トレーニング計画では体を大きくするための筋肥大期、そしてつけた筋肉が力を発揮する筋力向上期を経て、その次はいよいよパワー養成期になります。
これは筋力にスピードを掛けあわせたもので、一瞬で大きな力を発揮する瞬発力にもつながります。瞬発力を高めるトレーニングを実施する際には気をつけておきたい点がいくつかありますので、それを確認しておきましょう。
1)筋力レベルにあわせて行う
ジャンプ動作などが求められる瞬発力系のトレーニングでは、特に下肢筋力が必要となります。トレーニングでは体を支えるだけにとどまらず、着地などの衝撃に対しても体全体で受け止めて吸収したり、その力を利用してさらに大きな力を発揮したりすることがあります。
そのため、基礎的な筋力が乏しい状態ではトレーニングによってケガをしてしまうといったことが起こります。トレーニングによるケガのリスクを下げるためには、筋力強化を行っていることを前提として、頻度や回数、負荷などを調節しながら行うようにしましょう。
2)フレッシュな状態で行う
チーム練習ではさまざまな練習プログラムが組まれることと思いますが、瞬発力を高めるトレーニングを取り入れるときはなるべくフレッシュな(=疲労の少ない)状態で行うようにしましょう。
全体練習の終盤になるとどうしても体力的に疲労がたまった状態になり、本来の目的としている「全力で」「一瞬で」動作を行うことが難しくなってしまいます。練習時間の前半や、ウォームアップの中に取り入れるといった具合に、比較的疲労がたまっていない段階で実施しましょう。
3)続けて行わない
パワーを鍛えるトレーニングは運動強度が高く、体にも大きな負荷をかけやすいため、トレーニングの頻度や回数、負荷設定などは十分に考慮する必要があります。
バネのように筋肉を収縮させるため、筋肉痛を起こしやすく、関節やその周辺などにも大きな影響を及ぼします。「短時間で」「数日おきに」行うことを念頭に、疲労回復の期間を十分にとりながら行うようにしましょう。
文:西村 典子
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