チームでウエイトトレーニングや器具などを使わないフィジカルトレーニング等、基礎体力強化を行っているところは多いと思います。しかし毎回同じトレーニングプログラムを行っているだけではトレーニング効率は下がり、何よりも「馴れて」しまったことによって飽きてしまったり、同じ部位に刺激が集中しやすく疲労がたまりやすくなってしまったり、といったことが起こってきます。

 時期にあわせてトレーニングプログラムに変化を持たせることを専門用語で「ピリオダイゼーション(期分け)」と言います。また重量や反復回数(レップ数)、さらにはセット数やトレーニング頻度など、トレーニング強度を決める要素を「トレーニング変数」といいます。野球に必要な体力要素を考慮し、一番大切な試合時期に最大のパフォーマンスが発揮できるように心身のコンディションを上げていくことが期分けを考える上で大切なことです。

 高校野球では甲子園をかけた地方大会が行われる夏の時期、そして秋の時期、さらには春の大会に向けて、コンディションを調整できるようにしていきます。

【秋~冬にかけて】
基礎体力強化をメインとしたトレーニングプログラムを考えます。筋線維を太く、強くするためには、ある程度反復できる回数を数セット繰り返すことが大切です(たとえば10回できる重さを3~4セット)。軽すぎる負荷では体が大きくなりませんし、土台が出来上がっていない状態で重すぎる負荷を扱うとケガのリスクが高まるため注意が必要です。正しいフォームを意識しながらスクワットやパワークリーン、デッドリフトなど下半身強化の種目についても取り組むようにしましょう。

【冬~春にかけて】
トレーニングフォームが安定し、繰り返し行えるようになったところで、少しずつ扱う重量を重くしていきます(たとえば6回できる重さを3セット程度)。必ず補助者をつけて、ウエイトが上がらなくなったときにサポートできるようにしておきましょう。トレーニング種目にバリエーションをつけるという点で、野球と共通する動作をもつ種目なども行ってみましょう。たとえば捕球動作に似たフロント・サイドランジや投球動作に似たプルオーバー、スイング動作に似たメディシンボールを使ったサイドスローなどを、基本的な種目とあわせて行うようにします。

【試合期】
試合期はトレーニングにかける時間も短めに行います。体がある程度大きくなっていることを前提とした上で、扱う重量をさらに重くし(たとえば3回できる重さを3セット程度)、そこにスピードを加えるように意識していきます。特にパワークリーンやスナッチなどの瞬発系の動作は試合期でも継続して行いたい種目の一つです。

 これらは一例ですが、トレーニングは期分けを考慮した方がより効率よくパフォーマンスアップ、ケガのリスク回避につながることが見込めるものです。ただし、あらかじめ計画を立てておいてもうまくいかないこともありますので、その都度現状を把握しながら今の自分、今のチームにあったものを行うようにしていきましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!