マスクと口呼吸

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2020.12.08

マスクをつける習慣によって口呼吸になっていないか確認してみよう

 今年は新型コロナウイルスの流行により、日常生活が一変しました。感染拡大予防のため、外出時にはマスクを着用することが一般的となり、マスクによって隠れた口元が緩んで半開きになってしまう、もしくは鼻呼吸だけでは息苦しさを覚えるようになり、知らず知らずのうちに口呼吸になってしまう…ということも少なくないでしょう。

 鼻と口の大きさからも想像できるように吸い込んだ時に得られる酸素摂取量は、鼻呼吸の方がやや少なくなると言われています。スポーツの場面では、運動強度が低い時は口を閉じて鼻呼吸で酸素をまかなっていても、激しい運動になるにつれて鼻呼吸の酸素摂取量では足りなくなり、より多くの酸素を取り入れようと口呼吸を行うようになります。

 口が大きく開いた状態で走っているランナーなどを「バテてきた」と表現することがありますが、運動強度が高い状態が続き、より多くの酸素を取り込もうとする生理的な仕組みだと言えるでしょう。

 このように激しい運動をしたときには口呼吸になってしまいますが、これが日常的に口呼吸になってしまっていると、コンディションに様々な影響を及ぼすことが考えられます。口呼吸が及ぼす影響について挙げてみましょう。

●外気に含まれるウイルスなどが侵入しやすい
 鼻には内部には細かい毛や粘膜があり、外気に含まれるウイルスや病原菌、アレルギー物質などの侵入を防ぐフィルターとしての役割があります。ところが口呼吸ではこれらの侵入物がフィルターを通さないまま直接体内に侵入してしまうので、風邪を引きやすくなったり、感染症にかかりやすくなったりすることが考えられます。

●口腔内のトラブルが増える
 唾液は、口腔内が乾燥しないように潤すことで虫歯や歯周病などの原因菌が繁殖しないように抑えていますが、口呼吸は口腔内が乾燥し、口腔内のトラブルが増えることが考えられます。

●使わない筋肉は衰える
 肺は自力で膨らんだり萎んだりするのではなく、周囲にある筋肉が収縮することによって酸素を取り込むことができます。口呼吸に頼ってしまうと肺を大きく動かさなくてもある呼吸ができてしまうため、横隔膜やその周辺で肺を動かす筋肉が衰え、十分な酸素量が確保できないまま過ごすことになってしまいます。肩甲骨の位置が変位し、パフォーマンスに影響を及ぼすことも考えられます。また口元の筋肉も垂み、しまりのない表情となってしまうことも懸念されます。

●睡眠の質を左右する
 口呼吸での睡眠は、舌が喉の後方に落ち込んで気道をふさぎ、十分に酸素が取り込めていない可能性があります。朝、スッキリ起きられなかったり、日中に眠気を催して集中力が低下してしまうのは、睡眠の質が低下している可能性があります。

 マスクをつけた状態では口呼吸になりやすいこともあります。感染対策とともに、飛沫感染のリスクが少ない環境下ではマスクを外し、口呼吸になっていないか、鼻呼吸を十分行えるかを確認し、呼吸への意識を高めるようにしましょう。

文:西村 典子
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