技術練習と並行しながら、パフォーマンスの土台となるフィジカルトレーニングを行っているチームは多いと思います。野球の練習だけでは、よく使う筋肉は鍛えられ、あまり使わない筋肉には刺激が少ないため、筋力バランスに偏りが生じたり、特定の部位のみに大きな負担がかかったりして、ケガをしやすいことが考えられます。

 シーズンオフはもちろんですが、大会などのあるシーズン中もスケジュール計画を立てて、継続的にトレーニングをすることが大切です。

 ウエイトトレーニングは筋肉に大きな刺激が加わり、その後数日は筋肉痛に悩まされることも少なくないでしょう。筋肉痛の原因には諸説ありますが、その一つとして筋肉を縮めたり伸ばしたりすることによって、筋線維やその周辺部位が傷つき(微細損傷)、それを修復する過程で分泌されるさまざまな化学物質が神経を刺激したり、炎症を引き起こしたりするためとされています。

 また筋肉痛になりやすい動作として、引き伸ばされながら力を発揮する伸張性(エキセントリック)収縮を伴うものがあり、例えば懸垂で体を持ち上げたところから、ゆっくりと体を下ろしていくときの上腕二頭筋は重力に抵抗しながら腕が伸ばされるため、筋線維により強い負荷がかかって筋肉痛が起こりやすいと考えられています。

 筋肉痛はトレーニング後に起こる生理的な現象ですが、筋肉痛が起きるまで強い負荷をかけたり、翌日以降に筋肉痛が起こらなかったからといって、トレーニング効果がなかったとは言い切れません。新しいエクササイズを行ったときや、トレーニングそのものに馴れていないとき、強い負荷を加えたときには筋肉痛が起こりやすいと考えられますが、私たちの体は負荷に適応し、次第に同じ重量や同じエクササイズでは筋肉痛を感じないようになります。

 トレーニング後の筋肉痛は長くても2~3日程度で軽減しますが、それ以上続く場合は筋線維の損傷程度がひどく、肉離れのようにプレーに支障を及ぼすようなケガへとつながっていることも考えられます。激しい筋肉痛を予防するためには、十分にウォームアップを行い、筋温を上げてからトレーニングを実施すること、負荷は少しずつ上げるようにすることなどを心がけましょう。

 筋肉痛の有無によってトレーニング効果を判断することは、選手の皆さんが誤解しやすいものの一つです。確かに「筋肉にきいている」感じはあるかもしれませんが、筋肉痛はなくてもトレーニング効果は次第に現れること、激しい筋肉痛が続く場合は負荷やエクササイズの見直しが必要なことや、筋線維の損傷レベルが強くケガにつながっているかもしれないことなどを理解しておきましょう。

文:西村 典子
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