ひねり動作とわき腹のケガ

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2020.10.20

体幹を支える腹筋群を確認しよう

 野球は左右非対称の動きを繰り返すスポーツです。スイング動作や投球動作では体をひねることによって、下半身から得られたパワーをバットやボールに伝達しますが、何度も繰り返すことによって同じ部位に大きな物理的ストレスがかかります。特に下半身と上半身の動きを大きくずらして「タメ」を作ろうとすると、ひねり(回旋)動作を担うわき腹の筋肉(外腹斜筋・内腹斜筋等)を傷めやすくなります。

 腹斜筋の肉離れは野球選手によく見られるケガの一つです。筋肉の収縮方法は3つに分類することができます。

●筋肉が縮みながら力を発揮する=短縮性(コンセントリック)収縮
●筋肉が伸ばされながら力を発揮する=伸張性(エキセントリック)収縮
●筋肉の長さが変わらない状態で力を発揮する=等尺性(アイソメトリクス)収縮

 同じ方向にひねり動作を繰り返すと筋肉は短縮性収縮と伸張性収縮を繰り返します。右投手(打者)の多くは左脇腹を傷め、左投手(打者)の多くは右脇腹を傷めやすいと言われていますが、これは反対側にあるわき腹の筋肉が伸張性収縮によって、大きく引き伸ばされながら力を発揮しようとしてその力に耐えられずに起こると考えられます。また動作そのものの特徴だけではなく、筋疲労による柔軟性の低下や筋力レベルなど体のコンディションによっても左右されます。

 わき腹のケガは同じ動作を繰り返して起こることが多いので、痛みがなくなったからといってすぐに練習を再開するとまた痛みが再発してしまうことがあります。まずは病院で適切な診察を受け、痛みの原因となっているものや再発予防のためのリコンディショニングについて専門家の指導を受けることが理想的です。柔軟性の改善や筋力強化はもちろんですが、姿勢が崩れた状態でのひねり動作はやはりわき腹に負担がかかりやすいと考えられるため、猫背になっていないか、お尻が落ちてしまっていないかといった姿勢についても合わせて見直すように心がけましょう。

文:西村 典子
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