肩こりと代償運動

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2020.10.06

自分が感じる姿勢の感覚と実際の姿をスマホで確認することも大切

 野球選手のストレッチを行う時に肩周辺部をチェックしてみると、多くの選手が肩こりのような首から背中にかけての強い筋肉の張りに悩まされていることがわかります。肩こりが気になる選手もいれば、肩が張っていても特に気にならない選手もいるようですが、いずれにしろ首が自然な位置から前方に移動し、首の後方部にある筋肉が常に引っ張られた状態になっているため、首や肩、背中の筋肉が張ってしまうということになります。このような状態が続くと投球動作に必要な肩甲骨のスムーズな動きにも支障がみられるようになります。

 一方で、投球動作時に肩が自然と挙がらない状態にある場合(痛みがあったり、どこかが引っかかったりする)は、何とかスムーズに肩を挙げようとして首をすくめて肩を挙げようとする傾向が見られます。これは投球時によく見られる代償運動の一つです。肩を挙げるときはもちろん首の筋肉も動員されますが、肩をすくめて挙げようとする動作がより強く働いてしまうと、僧帽筋の上部や板状筋(ばんじょうきん)、肩甲挙筋などに強い張りが見られるようになります。

 投球前後などに肩周辺部のストレッチを行う選手も少なくないと思いますが、肩の動きをよりスムーズに行うためには、肩周辺部だけではなく、首のストレッチもセットで行うようにするとよいでしょう。首後方部の筋肉をゆるめることができると、圧迫されていた視神経が開放されて目がスッキリするという選手もいます。

 このように肩こりのような強い筋肉の張りがある場合、投球動作をスムーズに行うための代償運動が肩こりを引き起こしている場合と、姿勢が崩れていることによって肩こりとなり、それが投球パフォーマンスに影響を及ぼしてしまう場合が考えられます。肩こりによって首の動きが制限されてしまうと首を左右に動かしたときに見える範囲が異なってしまったり、見える範囲が狭くなったりして、野球のプレーにも影響を及ぼします。肩が重い、首が張っていると感じる時は患部周辺部のストレッチや軽負荷でのトレーニングとともに、その立ち位置などを撮影して姿勢を確認することなどもぜひ行ってみましょう。

文:西村 典子
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