2種類の握力を鍛えよう

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2020.09.15

ボールに強い力を加えるためには、指先や前腕の握力を鍛えることが必要

 選手の皆さんはウエイトトレーニングにおいて、前腕や指先などを鍛えて握力を強化するようなエクササイズを行っているかもしれません。野球はバットやボールなど物を「握る」動作が多くあり、握力はこうした動作をサポートする役割を担っています。力は地面から下肢、体幹、上肢へと伝わり、最終的には末端にある手指からボールやバットへと伝わっていきます。このように伝達された力を失うことなく発揮するためには、それぞれの部分において筋力や筋持久力などの強化が必要となってきます。

 握力というと一般的には物を握る能力と考えられており、握力計を使って測定し、数値化することが可能です。一方スポーツでは握った物を離さない力もまた握力ととらえられており、前者を「能動握力」、後者を「受動握力」と呼んで区別することもあります。能動握力は自分の意志によって物を握る能力であり、受動握力は握った物に対し、別の力などが加わっても物を離さないように抵抗する能力です。投球動作を例に考えてみると、ボールにより長く、強く力を伝えることがスピードアップやボールのキレ(回転を与える)などに関与するため、ボールを強く握る能力よりも指先から離れていくボールをコントロールする力や遠心力に負けない受動握力、繰り返し動作を行うことができる筋持久力などもまた高めたい能力であると言えるでしょう。

 握力を鍛える一般的なエクササイズとしては、ダンベルやバーベルを使って手首を曲げ伸ばしするリストカール、リストエクステンションなど前腕筋群を鍛えるものが挙げられますが、受動握力を鍛える場合は鉄棒や懸垂など何かにつかまって、その状態を保持するようなエクササイズを行うとよいでしょう。懸垂が繰り返しできない場合はただぶら下がっているだけでも受動握力のトレーニングになります。また綱を使ったトレーニングでは綱を握る力と同時に、握った綱を離さない力も鍛えることができるので、綱引きや綱登りといったエクササイズも握力強化として適しています。公園などにある雲梯などもよいでしょう。

 握る力(能動握力)と同様に、握った物を離さない力(受動握力)を強化し、野球のプレーに活かしてくださいね。

文:西村 典子
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