膝の屈伸運動と痛みの関係

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2020.09.08

キャッチャーは屈伸運動を繰り返すため膝に負担がかかりやすい

 膝を曲げ伸ばしする屈伸運動は、ウォームアップやクールダウンなどで用いられることの多いものです。膝関節の動きを確認しながら痛みなどをチェックし、膝関節をより大きく使えるように曲げたり伸ばしたりといったことを行います。これを自重で軽く行う程度であればさほど問題にはなりませんが、例えばトレーニングのように繰り返し行っているとやがて膝が痛くなる…といったことが起こります。昔、よく見られた「ウサギ跳び」がほとんど見られなくなったのは、このような動作が膝に過度な負担をかけて痛めてしまうことが広く知られるようになってきたからです。

 膝関節は伸ばした状態から深くしゃがみ込んだ状態まで、関節角度0〜140°ほどの角度を持っています。しゃがみ込む動作の代表的なエクササイズにスクワットが挙げられますが、一般的にはパラレルスクワット(太ももと床の角度が平行になった状態)が推奨され、膝関節の角度はおよそ90°になります。これ以上深くしゃがみ込むフルスクワットを実施するケースも見られますが、ケガ予防の観点からは下肢、臀部などの筋力が十分にあり、各関節の動きも問題なく、正しいフォームで行える場合にのみ実施することが求められます。

 膝の関節角度が90°以上になった状態で外力による負荷がかかってくると、膝関節の中にある半月板という軟骨組織により大きな負担がかかるようになります。半月板は膝関節にかかる負担を減らすクッションのような役割をもっていますが、繰り返し動作や重いものをもってのフルスクワットなどを行っているとそのクッションが損傷して痛みを生じることがあります。半月板損傷の特徴的な症状としては、膝が動作の途中で引っかかって動かなくなってしまうロッキングが見られます。膝の曲伸運動ができず、激しい痛みが伴い、弾発音(クリック)とともに動きが回復する場合はその典型的なものです。

 ポジションでいうとキャッチャーは自重とはいえ屈伸動作を繰り返すため、特に膝周辺部に関しては負担がかかりやすい特徴があると言えます。膝への負担を減らすためにもスクワットやランジをはじめとするエクササイズを実施し、下肢筋力をしっかりと強化しましょう。また各関節の可動域や筋肉の柔軟性が低下するとやはり膝への負担が大きくなるため、運動前後でのストレッチは習慣として行うことがスポーツ障害の予防につながります。筋力と柔軟性を常に意識しながらセルフコンディショニングを行うようにしましょう。

文:西村 典子
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