睡眠を左右するさまざまな物質

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2020.09.04

飲料100ml当たりに含まれるカフェイン量(日本食品標準成分表2015年(七訂)ほかを参照の上作成)

 体のコンディションを整えるためには適切な休養をとることが大切です。睡眠不足はコンディション不良の源とも言えますし、ケガのリスクが高まったり、パフォーマンスにも影響を及ぼしたりします。ただその重要性は理解していても、睡眠に対する優先順位があまり高くない選手も多いのではないでしょうか。そこで睡眠とそれにまつわる物質について考えてみましょう。

《ドーパミン》
 私たちの意識を覚醒させる神経伝達物質で脳内ホルモンと呼ばれることもあります。やる気を促し、試合の時などに発揮されると注意力や集中力を高めると言われてます。ただしドーパミンは就寝前に多く分泌されてしまうと、脳が興奮して眠れなくなるといったことが起こります。就寝1時間ほど前からはスマホから離れた方が良いと言われているのはドーパミンの分泌を抑制するためでもあります。

《アデノシン》
 体を動かすエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)という物質の代謝産物(燃えかすみたいなもの)で、この燃えかすが脳内に溜まってくると眠気を催すようになります。短い昼寝をするとこのアデノシンが減少するため、脳がスッキリしてさらに意欲的に活動することができるようになります。このアデノシンの蓄積を感じさせなくなるものがコーヒーなどに含まれるカフェインです。カフェインは摂取後8時間経過した段階でもその半分ほどが体内に残っていると言われるため、夕方以降のタイミングで摂取してしまうとアデノシンによる眠気を感じにくくなり、入眠しづらくなることが考えられます。

《セロトニン》
 セロトニンとは脳内で分泌される神経伝達物質の一つで、感情や気分のコントロール、精神の安定に関与すると言われています。セロトニンの分泌には運動や食事などとともに太陽光をどのくらい浴びたかにもよって左右され、セロトニンから作られるメラトニンという睡眠を促すホルモンは、太陽光を浴びてから14〜16時間ほど経過すると急激にその分泌量が増えます。メラトニンが就寝前のタイミングで多く分泌されるよう、朝のタイミングで太陽光を浴びることが自然な入眠にもつながると考えられています。

 体の中にあるさまざまな物質が働くことで、睡眠を促すことが知られています。こうした働きを理解したうえで、睡眠を妨げる行動を避け、十分な睡眠時間を確保できるようにしてみましょう。

文:西村 典子
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