呼吸と気持ちのコントロール

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2020.06.19

 私たちは自分の意志とは関係なく循環器や消化器、呼吸器などの臓器を動かし続けていますが、これをコントロールしているのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、この2つの指令を調整することで生命を維持することができます。大ざっぱな説明ですが、交感神経は体をより活発にさせるために働く神経、副交感神経は体を休めて、ストレスを和らげることに働く神経と言えるでしょう。こうした自律神経は自分の意志とは関係なく働くものですが、実は呼吸をうまく利用することで、ある程度自律神経を自分で調整できることが知られています。

 野球の場面で考えてみると、試合前に緊張してしまうときには交感神経が優位に働いています。心地よいレベルの緊張は必要ですが、過度な緊張状態はパフォーマンスの低下を招くおそれがあります。肩に力が入っているとき、気持ちがあせってしまうときなどを想像してみると、できればもう少しリラックスして試合に臨みたいですよね。このようなときはゆっくりと、大きく息を吐くことを繰り返すと、副交感神経が働いて心拍数が落ち着き、重心が下がって緊張がやわらぎます。100円ショップなどで売っている風船を準備しておき、試合前にふくらますといったエクササイズなども面白いと思います。これは風船をふくらまそうと息を吐いている間に、副交感神経が働いて緊張がほぐれることをねらったものです。

 一方で試合前なのに「どうも試合に集中しにくい」といったときは、短い呼吸を繰り返して交感神経を刺激するようにしてみましょう。短い呼吸によって心拍数が上がり、闘争ホルモンの一つであるアドレナリンが分泌されて、より試合に対する意欲が高まり、適度な緊張をもたらすことが期待できます。試合や本番のときは、緊張しすぎても、緊張がなさ過ぎても本来のパフォーマンスを発揮することがむずかしくなりますが、呼吸によって自律神経に働きかけることができることを覚えておくと、いざという時に役立ちます。

文:西村 典子
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