どのくらい間隔をあけると安全?ランニングとリスク管理
前後は十分に距離をとり、こまめな水分補給も忘れないように
学校や部活動が再開されたところも増えてきていると思いますが、ウイルス感染を予防しながらの練習では、手指の消毒はもちろんのこと、人と人との距離を一定以上空けることなどを心がけることが必要となります。野球は他のスポーツと比較すると、屋外で行う競技であることや人との接触が比較的少ないという特徴があります。正しい感染予防対策を行いながら、練習に励んでほしいと思います。
練習でランニングを行う際、飛沫感染を予防するためにどのくらい間隔をあけると安全と言えるのでしょうか。最近発表された研究※では、ジョギングをしている人の後ろにいる場合は一般的に2m以上と言われている距離よりも、さらに十分な距離(10m〜)が必要であると指摘されています。ただしこれはあくまでも後ろにいる人が止まった状態で、推奨される他人との距離を示したものであり、練習では風向きやランニングのスピードなどによっても変わってくることが考えられます。風向きなどを考慮しつつ、前後は十分な距離をとることを覚えておきましょう。横並びの状態は前後で走るよりも感染リスクは低くなると考えられています。
またマスクをつけた状態でのランニングは心肺機能に負担をかけやすくなることが懸念されます。運動強度には十分配慮した上で、息苦しさなどを感じる場合はムリをせずにランニングスピードを落とすことや、場合によっては中止するようにしましょう。練習再開直後は全体練習のボリュームを調整しながら、ランニング量を少しずつ増やしていくことが大切です。さらにこれからは気温も上昇し、熱中症予防にも気を配る必要があります。マスクをしていると水分補給のタイミングを逃してしまいがちですが、こまめに水分・塩分補給を心がけましょう。
注)ご紹介した論文は最新のものではありますが、査読(審査)なく発表されたもののため、あくまでも物理的な側面からみた参考資料となります。
《参考書籍 Towards aerodynamically equivalent COVID19 1.5 m social distancing for walking and running(英語:PDF)》
文:西村 典子
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