大きなストレスとメンタルの変化

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2020.05.22


野球で得られたものは決して失われるものではありません

 長く続いた休校措置が緩和され、少しずつ学校再開への動きが出てきています。今後もウイルス感染拡大を念頭に置いた生活を送る必要がありますが、その中でできることは少しずつ増えていくようになると思います。ただ環境が大きく変化し、今まで目標としていたことが突如として失われたことに無力感を覚える選手も多くいることでしょう。

 ケガをした選手の心理について以前のコラムでご紹介したことがあります。ケガをしたという事実に対し、選手の心は時間の経過とともに「否定 → 怒り → 消沈 → 認識 → Positive」と変化していきます。これは大きなストレスを受けた時にも同じようなような過程をたどると考えられます。そして否定からPositiveに至るまでには時間がかかること、そしてそれには個人差があることを覚えておきましょう。

 大きなストレスを前にすぐに前向きに気持ちを切り替えることはむずかしいと思います。気持ちがふさぎ込んでしまうときはなるべく親しい友人や、家族、仲間など心許せる人に話をしましょう。自分の中にとどめておくのではなく、なるべく誰かに聞いてもらうこと。「やる気が起こらない」ときは、焦らずに身の回りのできることから行っていきましょう。やる気は意志の強い弱いではなく、環境などの変化によっても左右されることが指摘されています※。誰かと話をすることは、自分の状態が「否定」なのか、「消沈」なのか、それとも「認識」を経て「Positive」に向かいつつあるのかといった心の整理につながります。

 公式戦がなくなってしまうことは誰にも想像できなかったことであり、皆さんのせいではありません。そして今まで培ってきたことは奪われるものではありません。前向きにとらえるようになるには時間がかかります。ただあなたを近くで見守ってきた指導者の先生方、保護者の皆さん、私も含めた多くの大人たちも悔しい思いで皆さんの側にいます。そのことを忘れず、つらいときは大いに頼ってください。野球を心から楽しめる日常が1日も早く戻ることを願っています。

《参考書籍 やる気を回復するためのアプローチ(日本スポーツ振興センター)》
《参考サイト 日本スポーツ振興センター

文:西村 典子
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