ストレス解消に役立つ栄養素
ストレス解消は栄養バランスのよい食事と十分な睡眠から
アスリートにとって適度なストレスは良いパフォーマンスを発揮するために必要不可欠なものですが、精神的な不安やイライラなど過剰なストレスが長期にわたって続くと、心身のコンディションに大きな影響を及ぼします。試合の時であれば緊張やプレッシャーなどを感じたり、手汗が止まらないといった身体的な変化が見られますが、日常においても「いつもと違う環境」が長く続くこともまたストレスの要因となりやすいと考えられます。他人との接触をなるべく避けるということは、直接的な会話も少なくなってしまうということ。適度に体を動かしながら、スマホやパソコンなどで上手にコミュニケーションをとることも大切です。
ストレスを解消するための方法は人それぞれですが、外出する機会が減っている今は食事面を見直してみましょう。疲れたときに甘いものが食べたくなりますが、これはエネルギー源が不足することによって起こります。たまのご褒美として甘いものをとることは良い気分転換にもなりますが、部活動の自粛などで運動量が減っている人は特に注意が必要です。
身体にストレスが加わると、より多く消費されるもの、特に必要となる栄養素があります。ビタミンB群やビタミンCは、副腎で合成されるホルモンに必要な栄養素ですが、強いストレス下ではより早く消耗するといわれています。またストレスホルモンと呼ばれているコルチゾルが分泌されるとタンパク質の分解がより早く進み、免疫力の低下にも関与するため、免疫力を高めるような栄養素や抗酸化ビタミンなどを積極的にとるようにします。抗酸化作用があり免疫力を高める効果が期待できるビタミンCは特に意識してとりたい栄養素の一つです。
さらにストレス解消に欠かせないのは質の良い睡眠です。必要な睡眠が十分に取れるように、睡眠を促進するホルモンであるメラトニン合成に欠かせない必須アミノ酸の一つ、トリプトファンを含むものを選ぶようにしましょう。トリプトファンは鰹やマグロなどの魚類、肉類、卵、プロセスチーズなどに多く含まれています。なかなか寝つけないという人は就寝前にホットミルクやミルクココア(無糖が好ましい)などを飲むと、体が中から温まり、スムーズな入眠が期待できます。気がつかないうちにストレスをためていることも多いと思いますので、このような栄養素を意識して摂るようにしてみましょう。
文:西村 典子
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