野球選手は気を付けたい「ぎっくり腰になりやすい姿勢」
ぎっくり腰になりやすい姿勢とは?
運動中や日常生活の中でふいに動いた一瞬に、突然腰に激痛が起こって立っていられなくなることがあります。急に痛みが発生するものを急性腰痛症と呼びますが、ぎっくり腰は何の前触れもなく「グキッ」とした衝撃とともに激しい痛みが腰背部を中心に起こります。スイング動作などプレー中に起こることもありますが、ぎっくり腰の多くは普段の何気ない動作、例えば朝、起きようとしたときや椅子に座った状態から立ち上がるとき、ボールを拾おうとしたときなどに起こります。
ぎっくり腰を予防するためにはまず普段の姿勢を見直してみましょう。背中が丸まった状態で座っていたり、前屈みでスマホやパソコンの画面をのぞいている姿勢を長く続けていると、体を支える背骨にはより大きな負荷がかかってしまいます。そこにさらに腰椎に負担のかかる動作(腰を曲げる、急にのけぞる、体をひねらせるなど)が加わると急に大きな外力が一点に集中してしまい、痛みを引き起こすと考えられています。
特に床にある物を持ち上げようとするときに、背中を丸め、腰から折り曲げるような姿勢をとるのではなく、股関節も一緒に軽く曲げるようにするだけでも腰椎への負担が軽くなります。また物をとるときは遠くにあるものを手を伸ばしてとるのではなく、なるべく自分の体を近づけることや、足幅を少し広げるようにすることも意識してみましょう。ぎっくり腰は何気ない動作の中にリスクがひそんでいます。
普段からできるコンディショニングとしては腰椎への負担を減らすための体幹部分の強化や腹筋・背筋とのバランス、腰背部、お尻まわり、股関節周辺部や下肢全体の柔軟性を高めることも大切です。ぎっくり腰になってしまうと数日は思うように体を動かせないことが多いため、日頃から腰背部に不安のある選手は特にこうしたことを意識して身体のケアをするように心がけてくださいね。
文:西村 典子
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