トレーニングと腹圧の関係

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2020.02.07

呼吸によって腹腔を形成する筋肉に働きかけ、腹圧を高めることができる

 ウエイトトレーニングで高重量を扱うとき、もしくはトレーニングを始めて間もない頃などはトレーニングベルトを利用して腹圧を高め、腰椎の保護をすることがあります。トレーニングと腹圧にはどのような関係があるのでしょうか。

 腹圧は腹腔内にかかる圧力(腹腔内圧)のことを指します。腹腔は横隔膜の下に位置し、内臓などが集まっている空間のことですが、その空間がつぶされたりしないように内から外に向かって力を押し出しながら内臓を守っています。風船をイメージするとわかりやすいと思うのですが、風船の中に内臓などが収納されており、空気をふくらますことで内臓を保護し、体幹を安定させることにも貢献します。トレーニングベルトは一見、この風船を押しつぶすようにきつく腹部を締めるのですが、ベルトを利用することによってそれに対抗して腹圧が高まり、姿勢の安定につながるといわれています。

 腹圧は横隔膜の動きによって腹腔内のスペースが変わってくるため、呼吸によっても高めることができます。大きく息を吸い込むと空気が肺に取り込まれて横隔膜が下がり、息を吐くと肺から空気が出て行くので横隔膜が上がります。腹式呼吸(息を吐くときにお腹を凹ませ、息を吸うときにお腹をふくらませる)を繰り返し行うことでも腹圧を意識することができます。

 トレーニングベルトは外部からの力によって自然に腹圧を高めることができますが、本来はこのような腹圧をベルトを使わない状態でも発揮できることが理想的です。トレーニングで扱う重量が軽い場合はトレーニングベルトを使わずに腹圧を高めながら行い、高重量を扱う際はケガ予防という観点からベルトを使用してより強いパワーを発揮するというように使い分けができると良いでしょう。トレーニングベルトを締めるときはゆるんでしまうと、その効果が得られませんのでしっかりと締めるようにします。どうしてもゆるむ場合は、タオルなどを背部にはさんで調節するようにしましょう。

文:西村 典子
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