筋力をつけると足は速くなる!筋力向上と走力アップを結びつける方法
トレーニングを継続し、歩幅や足の回転が向上すると走力は高まる
オフシーズンに入り、トレーニング量が増えてくるにつれて多くなる質問の一つに「ウエイトトレーニングをすると足が遅くなってしまいませんか」というものがあります。結論からいうと、トレーニングによって筋肉量が増え、筋力があがると走力もそれに伴って向上するため、足が速くなるのが一般的です。ただしトレーニングの内容や筋力をつけたことでランニングフォームが崩れてしまったなど、さまざまな要因によって足が遅くなってしまうケースもあります。ではどうやって筋力向上と走力アップを結びつければ良いでしょうか。
トレーニングにはその時期にあったトレーニング内容が存在します。大きく分けると「筋肥大期」「筋力向上期」「パワー養成期」となり、試合が近づくにつれてトレーニングプログラムを変えていく必要があります。ランニングの走力を落とさない、もしくは向上させながら体を大きくするためには、この筋肥大期(筋線維を太くする)を経て体を大きくし、さらに筋肉の出力を上げて力を発揮し、最終的には爆発的なパワーを生み出すようにトレーニングを継続していくことが大切です。筋肉がついてくると体重は増えるため、その重くなった体を支えて運ぶだけの下肢筋力が備わっていないと当然走力は落ちてしまうと考えられます。
一方、走力を考える上で基本となるのは「スピード=足の歩幅(ストライド)×足の回転」です。筋力がつき、地面からうける反力をつかって歩幅が伸びると、足の回転が同じでも足は速くなります。またストライドが同じでも、地面を押しつけて足を回転させる能力が高まれば、やはり足は速くなります。このように「足の歩幅」か「足の回転」というどちらかの要素が高まると走力アップにつながるのですが、下肢筋力の爆発的なパワーが高まると、バネ能力などによる歩幅の伸びや足の回転アップに貢献することが期待できるのです。
ただしトレーニングを行うと一時的に筋力は落ちますし、柔軟性も低下します。十分な休養をとりながらトレーニングを続けていくことが大切です。また柔軟性が低下してしまうと足の歩幅が短くなってしまうことも考えられます。トレーニングと同時にストレッチもしっかりと行っていくことが大切です。
文:西村 典子
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