「最も力を発揮しやすい姿勢」パワーポジションを意識する
ランナーの構えもすぐに動き出せるパワーポジションを意識しよう
パワーポジションという言葉を聞いたことはありますか? 一般的には「最も力を発揮しやすい姿勢」のことを指し、止まった状態からすぐに前後・左右への素早い動きを可能にするための構えのことをいいます。パワーポジションの姿勢で準備すると、瞬時に動き出すことができるため、野球に限らずさまざまなスポーツの基本姿勢として知られています。
《一般的なパワーポジション》
・肩幅よりもやや広めの立ち位置をとり、つま先は中間位(ニュートラル)もしくはやや外向き
・軽く膝を曲げ、重心の位置を下げる
・つま先よりも膝が前に出ないようにする(足の中心部もしくはやや前方に重心がくるように)
・背中を丸めずまっすぐに保ち、顔は正面、視線は前方へ
この姿勢はスクワット動作と同じものです。スクワットではただ単に膝を曲げるだけではなく、股関節を曲げて骨盤が中間位(ニュートラル)になるような姿勢を保って重心位置を下げるようにしゃがみますが、パワーポジションはスクワット動作によって習得することができます。しゃがんで重心位置が下がった状態は姿勢の安定につながりますし、素早い動きを生み出すためには重心が「かかと寄り」ではなく「中心、もしくはやや前方」にあることが大切です。足幅は広げた方がより安定しますが、動きやすさを考慮すると、その場で自然にジャンプできる程度の足幅くらいが目安といえるでしょう。
また体幹の強さもパワーポジションには必要です。その場ジャンプを繰り返して背中が丸まってしまわないか、左右に体幹がぶれたりしないかを確認してみましょう。体幹が弱いと地面から受けた力を上手く伝達することができず、「力のロス」を生みだしてしまうからです。スクワットが「エクササイズの王様」と呼ばれるのは、スポーツの基本姿勢であるパワーポジションにつながることとも関係しているのかもしれませんね。
文:西村 典子
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