肩を強くする方法って?
肩の強さを活かして力強いプレーにつなげよう
「肩が強くなりたい」という選手は多いと思います。実際に「どうやったら肩が強くなりますか?」と聞かれることも多いのですが、自分の体にとって必要なものは何かを知ることがまず必要です。
野球は遠投の距離を測るスポーツではなく、正確なスローイングや力強い送球ができることが大切になってくるからです。そしてその一つにいわゆる肩の強さが挙げられます。「肩を強くする」ための方法としては「伝わる力そのものを大きくする」ことと、「伝わる力のロスを少なくする」という2つのアプローチ方法があります。
●伝わる力そのものを大きくする
力強さを生み出す源となるのは筋力です。下半身から体幹を介し、上半身へと伝わる力が大きければ大きいほど、いわゆる「強肩」であると言えるでしょう。だからといってただ肩の筋肉を鍛えればいいのかというと、そう単純な話でもありません。大きな力を発揮するためには、肩よりもむしろ下半身や背筋などを中心に筋力アップを行う必要があります。ボールを投げる動作は地面と接地する足から下半身、体幹をとおって上半身へと伝わっていき、最終的には指先からボールを力強く押し出すため、スクワットやランジ、デッドリフトといったエクササイズで下半身、体幹を鍛えることは最終的に「肩の強さ」につながると考えられます。
●伝わる力のロスを少なくする
もう一つのアプローチ方法としてはボールを投げる動作で伝わる力のロスを最小限にし、無駄なく力を伝えられるように、うまく体全体のしなりを使って投げるということです。さまざまな関節を介して力が伝わっていくため、どこか一部分でも動きの悪いところがあったり、軸がぶれたりしてしまっては、地面から下半身へと伝わってきた力がボールにまで届きません。体の動きをしなやかに保つためには、股関節や肩関節などの関節可動域(関節の動く範囲)が大きく、筋肉の柔軟性もより高い方がより強いボールが投げられることになります。また同時にぶれない軸をつくるための体幹トレーニングやパワークリーンなどクイックリフト系のエクササイズなども、力のロスを少なくすることに役立ちます。
「肩の強さ」といっても必要となる練習やトレーニングは個人によって異なるため、指導者や専門家と相談しながら自分に必要なものを取り入れるようにしていきましょう。
文:西村 典子
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