睡眠時間と質にこだわろう
睡眠時間と睡眠の質にこだわり、コンディションを整えることを最優先させよう
夏の大会が近づき、熱中症対策を行っているチームも多いと思います。練習や試合での水分・塩分補給はもちろんですが、暑さに馴れるための暑熱馴化についても取り組んでおくと、試合で暑さによる熱疲労や熱けいれんの予防に役立ちます。
こうした取り組みも大切ですが、もっとも気をつけたいことは自分の体調をしっかり整えることです。特に睡眠不足によるコンディション不良は熱中症を引き起こしやすいだけではなく、集中力の欠如を伴います。頭がボーッとした状態でプレーすると思わぬケガにつながってしまうこともあります。毎日忙しいとは思いますが、試合の前には自分の体調を最優先とし、睡眠時間や睡眠の質を重視して、コンディションを整えるための時間を確保することが大切です。
睡眠の質を高めるためには前日の過ごし方も重要になってきます。就寝直前までスマホを見るのではなく、ストレッチなどを行って翌日の準備を行うようにします。必要な睡眠時間から逆算し、「夜10時以降はスマホを見ない」といった具合に時間を決めてしまうといいですね。また熟睡を支える要素の一つに室温が挙げられます。あまりにも暑いからといってクーラーの設定温度を下げすぎてしまうと、体が冷えてしまい風邪をひきやすくなりますし、極端に暑い中では、就寝中の発汗量が多くなって脱水状態になりやすくなります。外気温との差が5℃前後を目安として、過ごしやすい温度設定を行いましょう。
また熱中症のような症状で体調不良を訴える選手に話を聞いてみると、朝起きる時間が遅くて「朝食をたべていない」状態でプレーをしているケースが見られます。朝食は寝ている間に消費しているエネルギーや水分・ミネラル分を補うために大切なものですが、欠食はこうした必要なものを摂ることができず、脱水状態になりがちです。このまま練習や試合に入ってしまうとコンディション不良から熱中症を引き起こすリスクは格段に高まります。
熱中症対策として大切なことはまず自分のコンディションを整えることです。睡眠は疲労回復だけではなく、体調をより良い状態に保つために必要不可欠なもの。睡眠時間や睡眠の質にもこだわって、ベストな状態で試合に臨めるようにしてくださいね。
文:西村 典子
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