靴底をチェックしてみよう
靴底のすり減り具合で自分の姿勢をチェックすることができる
野球が上手くなるためにはよい姿勢を保つことが大切です。背中が丸まったような姿勢であったり、反対に腰が過度に反った状態であったりすると、プレーに影響するだけではなく、体のバランスが崩れてケガをしてしまうことも考えられます。姿勢のチェックはその姿を他人に見てもらうことだけではなく、自分自身でチェックできるものもあります。皆さんの普段使っている靴底の消耗具合をチェックしてみましょう。履けば履くほど靴底はすり減ってきますが、そのすり減り方によっても体の使い方や姿勢を確認することができます。
●靴底の外側が極端にすり減っている
靴底の外側が極端にすり減っている状態は、体重が足の拇指球に乗っておらずどちらかといえば外側に荷重がかかっていると考えられます。膝が正面ではなくやや外向きになり足を外側に向けて歩くため、ふくらはぎの骨にねじれが生じて膝や足首に大きな負担がかかります。またこの状態で過度なランニングを行うとすねの部分が痛くなるシンスプリントを発症しやすくなります。さらに外側ばかりを過剰に使っていると当然内側の筋肉はゆるむため、内ももを締めて力を発揮するバッティングやピッチングにも影響がでる可能性があります。
●靴底の内側が極端にすり減っている
一方、靴底の内側が極端にすり減っている状態は、かかとが内側に傾いた「過回内(かかいない)」になっている可能性が高いと考えられます。人間の足は中指に中心線がくるのではなくやや内側の人差し指付近にあり、その延長線上に足を支える足底アーチの頂点があります。大きな負荷がかかるともともと足は内側に傾きやすい構造になっているため、膝が内側に入りやすく、膝の靱帯や半月板などを痛めやすいことが考えられます。また内側ばかりに力が入ってしまうと、ふくらはぎを十分に動かせないため、筋肉のポンプ作用による恩恵を受けられず、血行不良などによって体全体の疲労が抜けにくいといったことも起こってきます。
左右で靴底のすり減り方が違う場合などは体のバランスが崩れていると考えられます。普段から履いている靴をチェックし、自分の体が今どのような状態にあるのかを理解するようにしましょう。
文:西村 典子
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