
甲斐野央
福岡ソフトバンク1位の甲斐野 央が猛烈アピールをしている。シート打撃に登板し、最速153キロを計測した。甲斐野の魅力といえば、合理的な投球フォームで150キロ台をたたきだせること。速球派投手は肩に負担がかかりやすい投球フォームになる傾向があるが、甲斐野はそれが見当たらない。
特に注目したいのがテークバックの動作。内回りのテークバックを観ると、大きく肩を引きずることはなく、体に近い軌道でボールを離すことができており、踏み込み足が着地してからの体のスピンが素晴らしいのだ。
甲斐野は、高校野球ドットコムのインタビューでフォームを意識しているポイントについてこう答えている。
「踏み出す左足が地面に着いた時、既に投げにいっている状態で上半身と下半身が一緒に前へ動いていました。それを下半身主導に変えるため、左足が地面に着いてから、上半身が追いかけるように前へ動いて投げるようにフォームを修正した」と話している。
また甲斐野はプロの投手と比較して、自分の動きは肩の開きが早いと自覚し、そこからフォーム修正に取り組んだのだ。常時150キロ台を連発できているのは、単に潜在能力が高いからではなく、絶え間なく研究する姿勢があったからだ。とはいえ、150キロ台を連発する仕上がりの早さを観るとしっかりとトレーニングをしてきた姿勢がうかがえる。
甲斐野は外れ1位だったが、これは昨年のドラフト市場は「高校生野手」が人気だったからで、甲斐野を絶対評価すれば、ドラフト競合されていてもおかしくない投手であった。そういう投手であることを証明するには、やはりこれからのアピールが大事となる。
怪我することなく、即戦力投手として活躍を見せることができるか。甲斐野の本領発揮はこれからである。
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◆甲斐野 央(東洋大)最速154km/hを誇る右腕のこだわり