守備に自信を持つ小園海斗のもう1つの武器・「内角球を長打に打てる技術」
小園海斗(広島 ※写真は報徳学園時代)
広島・小園海斗(報徳学園出身)が広島の主力投手の1人である九里亜蓮から本塁打を放った。シート打撃で九里の内角直球をモノ見事に引っ張り、ライトスタンドに運んだ。小園は藤原恭大、根尾昂とともに高卒でドラフト1位指名を受けた野手だが、2人より優れている点は「インローに反応し、長打にできる技術」だ。
大学代表との試合で小園は松本航(日本体育大)から本塁打を放ったのも147キロのインロー。しかも木製での実戦は2試合目で記録したもので、まさに小園の凄さを象徴した試合だったが、小園は内角に対して、体が突っ込むことなく、瞬時に自分の懐にボールを呼び込み、骨盤、軸足を回旋させ、打球を飛ばすことができる。これは藤原、根尾にはない点だといえる。
また遊撃守備では難なく溶け込み、首脳陣の期待に応えている小園。
小園が超一流になれるか、否かについては小園の打撃技術を尊重し、長打を打てるパワーヒッターに育てられるかについてである。小園のようなショートストップは得てしてヒット狙いの打者になる傾向があるが、広島は好打者タイプの田中広輔を二桁本塁打を2回打てるまでの内野手に育て上げている実績があり、またごまかしがきかない天然芝の本拠地でプレーする小園にとって広島は最適の球団だと思っている。
この内角攻めを極めながらプロの一流投手の変化球を見て、プロで対応できる技術をじっくりと見つけてほしい。1年目は「勉強」。超一流の階段に登るには足元を見て、前進するだけである。