近年活躍を見せる東海大相模OBの選手たち
第97回選手権大会優勝の原動力となった小笠原慎之介(中日)と吉田凌(オリックス)
激戦区と呼ばれて久しい神奈川県高校野球。横浜と共に、長らく二大巨頭として君臨している東海大相模だが、特に最近10年間のOBの活躍は目を引くものがある。
そこで今回は、近年活躍をみせる東海大相模OBに焦点を当て、アマチュア時代の活躍と共に紹介していきたい。
まず近年のOBで、最も活躍を見せているのが菅野智之(巨人)と田中広輔(広島)だ。高校時代の菅野は、最速147キロのストレートと大きく割れるスライダーを武器に、高校3年頃から注目を集めるようになり、大学進学後にその才能が一気に開花した。
また田中も、果敢な走塁に加えて高校通算38本塁打の長打力も兼ね備え、ドラフト上位候補として名前が存在であった。
その後の二人の活躍は、もはや説明不要だろう。共にWBC日本代表にも選出され、プロ野球を代表する選手になった。
また、菅野と田中の一つ下の世代では大田泰示(日本ハム)と角晃多(元ロッテ)が高卒でプロ入りを果たした。大田は、日本ハムへのトレードを機に、持ち前の長打力が復活の兆しを見せている。
角は、育成ドラフト3位で千葉ロッテマリーンズに入団。2012年には、支配下選手登録を勝ち取り、期待をされる存在となりつつあったが、2014年に戦力外通告を受けた。
大田と角が卒業した翌年の2010年、東海大相模はここから一時代を築く。一二三慎太(元阪神)と大城卓三(巨人)のバッテリーを軸に、二季連続で甲子園に出場を果たし、特に夏の選手権大会では準優勝と大きく躍進した。
さらに翌年の2011年、今度は田中俊太(巨人)、渡辺勝(中日)、菅野剛士(ロッテ)などが並ぶ切れ目のない打線を擁して、2度目の選抜甲子園優勝を果たした。
さらに4年後の2015年、東海大相模は1970年以来の夏の選手権大会優勝を果たす。この時に軸となったのが、小笠原慎之介(中日)と吉田凌(オリックス)の強力な二枚看板だ。安定感抜群のピッチングで、全国制覇の原動力となり、その後揃ってプロ野球の世界へと進んだ。
いかがだろうか。近年の東海大相模OBの活躍を振り返ると、激戦区・神奈川の二大巨頭の名に恥じない活躍を見せていることがわかる。現在のチームにも、遠藤成や西川僚祐、山村崇嘉など楽しみな選手が多くいる。今後の活躍にも注目だ。
(記事=栗崎祐太朗)