筋肉痛が起こりやすい動作
ランニングでは足をつく位置によってひどい筋肉痛や肉離れを起こすことがある
トレーニングを行うと負荷や回数によっては運動直後や翌日に筋肉痛を覚えることがあります。あまりにも大きな負荷であれば筋線維が急激に伸ばされて傷んでしまう「肉離れ」のような痛みを発することもあります。こうした筋肉痛は多かれ少なかれ起こるものですが、筋収縮のパターンによって筋肉痛の起こりやすい動作というものがあります。
筋肉はその長さを縮めながら力を発揮する短縮性(コンセントリック)収縮、筋肉の長さが変わらない状態で力を発揮する等尺性(アイソメトリック)収縮、筋肉が伸ばされながらそれに抵抗して力を発揮する伸張性(エキセントリック)収縮という3つのパターンがあります。短縮性収縮ではダンベルなどを持ってアームカールを行うような動作、等尺性収縮は腕相撲のように筋肉の長さが変わらない状態で力を発揮する動作、そして伸張性収縮は懸垂などで自分の体を支えながら腕が伸ばされていくような動作のときに起こります。
筋肉痛は筋肉を伸ばしながら抵抗する伸張性収縮のときにより起こりやすいといわれています。大きな力に対してブレーキをかける動作です。ベンチプレスであればバーベルを上げる動作よりも下ろす動作の時に、より大胸筋は伸ばされて筋線維が傷つき、筋肉痛を起こしやすくなります。またランニング動作で肉離れを起こしてしまうのは、自分の重心よりも着地足が前方についてしまうことで、太ももの後ろにあるハムストリングスが大きく伸ばされて筋線維が傷ついてしまうことで起こります。
筋肉痛かなと思ったときは運動直後であれば氷などを使ってアイシングを行いましょう。筋線維の炎症などを抑える効果が期待できます。また帰宅後には軽くほぐしたり、入浴後にストレッチを行ったりして血流を良くし、炎症症状の軽減とともに体内に蓄積された疲労物質をなるべく早く体の外に排出できるようにしましょう。運動によって筋肉痛は起こりますがなるべく早く回復できるよう、セルフコンディショニングの方法もぜひ覚えておきましょう。
文:西村 典子
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