肉離れを防ぐ走り方
ランニングフォームをチェックして、肉離れを予防しよう。
これからオフシーズンにかけて、体力強化の1つとしてランニングを行う機会が増えてくると思います。ランニングは土台づくりのために行うものであり、ランニングでケガをしないように気をつけなければならないのですが、実際にはランニングによって肉離れなどのケガをしてしまったというケースは後を絶ちません。肉離れにならないようにするためには、筋力や柔軟性など体力要素のチェックとともに走るフォームについても確認する必要があります。ランニングフォームでのチェック点を挙げます。
●足の着地位置が頭より前になっていないか
着地をして地面からの反力を受けて前に進むときに、足が伸びきった状態で地面に接地してしまうと力が入りにくくなってしまいます。それでも何とか大きな力で前へ進もうとすると、腿の裏側にあるハムストリングスの筋肉は伸ばしながら力を発揮する遠心性収縮が働きます。筋力不足や、ハムストリングスの柔軟性が低下した状態で大きな負荷がかかってしまうと、足が地面から離れた時に肉離れを起こしやすくなるといわれています。
●踵着地になっていないか
スピードばかりを意識して足を前方へ投げ出すように走ってしまうと、どうしても踵で着地してしまうことになります。頭の位置よりも前方に着地してしまうことと同様に踵着地になってしまうと、力の入りづらいポイントで接地しやすくなり、ハムストリングスや膝裏部分(ハムストリングスの付着部)に大きな負担がかかってケガをしやすくなります。また踵着地は今まで走ってきた推進力に対し、ブレーキをかけてしまうため、スピードロスも発生します。足の着地は空き缶を踏みつぶすように真上から足をおろし、足裏全体で地面をとらえることがポイントです。
●お尻が落ちた姿勢になっていないか
お尻が落ちた状態(いわゆる骨盤後傾)で走っていると、地面から受けた反力を推進力にかえるときに大きなロスが生じます。さらにどうしても足が前方に出ないので、着地足は適切なところに接地できず、さらに前に進もうとするためハムストリングスに過度な負担がかかって肉離れを生じやすくなります。走るときには姿勢良く、お尻が落ちていない状態を保って走るようにしましょう。
文:西村 典子
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