投球動作と筋肉痛

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2018.10.02

背中や肩後方部など、筋肉が伸ばされながら力を発揮する伸縮性収縮は筋肉痛になりやすい。

 筋肉痛は野球選手であれば誰もが一度は経験したことがあると思います。体を動かすと筋肉は伸び縮みを繰り返しながらさまざまな動作を行いますが、これは筋肉を構成する筋線維やその周辺組織が傷んでしまい(微細損傷)、それを修復する過程でさまざまな化学物質が関わるため、神経を刺激したり、炎症を引き起こしたりして痛みを感じると言われています。ほとんどの場合は運動後〜数日で症状が軽減します。

 

 筋肉には3つの力発揮パターンがあります。
・筋肉を縮めながら力を発揮する短縮性(コンセットリック)収縮
・筋肉を伸ばしながら力を発揮する伸張性(エキセントリック)収縮
・筋肉の長さは変わらずに力を発揮する等尺性(アイソメトリック)収縮

 です。このうち筋肉を伸ばしながら力を発揮する伸張性収縮は特に大きなダメージを受けやすく、伸張性収縮によって強い筋肉痛が出現することが多くなります。ブレーキをかけながら力を発揮するため「ブレーキングストレングス」とも呼ばれ、野球の動作でいえば、投球時に上腕後方部(上腕三頭筋、三角筋後部、棘下筋、小円筋など)や背筋(広背筋、僧帽筋、菱形筋など)は腕の振りに対して肩が抜けてしまわないよう適切にブレーキをかけて力を発揮します。投球後の筋肉痛が肩後方部や背筋に出るのはこのような伸張性収縮によるものです。

 一方、投球後に肩前方部(大胸筋、上腕二頭筋、三角筋前部、肩甲下筋など)や肩側方部(三角筋中部、肩甲挙筋、棘上筋など)などに痛みを感じる場合は、単なる筋肉痛にとどまらず投球フォームが崩れて過度に負担がかかった状態であるか、そもそも機能的にその部分を傷めているかといったケースが大半を占めます。
 痛みは肩周辺部や肘周辺部に現れても、その原因は体の使い方によって別のところにあることも多いため、痛みを繰り返す場合は指導者の方や専門家のチェックを受けたり、医療機関で適切な治療とリハビリテーションを行うことも必要となります。肩の痛みが筋肉痛によるものなのか、それとはまた違った原因が考えられるのかを振り返り、適切に対応しましょう。

文:西村 典子
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