体調を「見える化」しよう
レベルアップのためには練習とともに栄養、休養にも意識をもって取り組もう。
野球が上手くなるためには技術練習や基礎体力をつけるためのトレーニングとともに、食事などの栄養や疲労からの回復をはかるための休養が欠かせません。野球の練習量が増えれば増えるほど、栄養と休養にも気を配る必要があります。練習やトレーニング量が増え、十分な栄養と休養が得られないと、ケガをしやすくなってしまうだけではなく、ケガからの回復が遅くなってしまったり、オーバートレーニングといって疲労が抜けずにコンディションが悪くなってしまったりすることになってしまいます。運動量が増えること自体は問題ありませんが、体力レベルに合ったものかどうかの確認と、体のリカバリーにかかる時間を考慮して休養をとること、体に必要な栄養素をしっかり補うことが大切です。
特に日曜日や祝日、休み期間中など一日中練習や試合を行う日は、時間的にも体に負担がかかりやすくなります。高強度の負荷がかかった状態の後は、エネルギー源を補充するための炭水化物をはじめ、体づくりに欠かせないタンパク質、体の調整機能に役立つビタミン・ミネラル分をとり、十分な睡眠をとるようにしましょう。睡眠不足では十分な疲労回復がはかれないだけではなく、夏の暑い時期であれば熱中症を引き起こす要因となったり、集中力の欠如からケガをしやすくなってしまったりします。練習量が多いときは「しっかりと寝る」ということを覚えておきましょう。
また体調を自分で把握できるように普段から体のコンディションを「見える化」しておくことも大切です。5段階や10段階評価をもとに主観的な疲労度を野球ノートに書き込んでおいたり(例えば10が絶好調、1が疲労度MAXなど、自分がわかるようにしておくだけでもOK)、起床時の心拍数を測定しておくと体調の指標として使えます。特にオーバートレーニングの特徴として、起床時の心拍数が通常よりも速くなる傾向にあります。毎朝測っておくと、いつもとは違った状態をすぐに確認することができ、体調管理に役立ちます。自分の体は自分で把握し、疲労をため込んでしまうことのないように日頃から気をつけるようにしましょう。
文:西村 典子
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