天気の急変による落雷事故を防ぐ
急に青空から黒い雲が広がってきたら、雨や落雷を想定して対応しよう。
日中はお天気でも夕方になると急に積乱雲が発生し、スコールのような大雨をもたらすことがあります。積乱雲は大気の状態が不安定な気象条件で発生しやすくなりますが、特に夏によく見られます。日中、太陽の光で温められた地上の空気は上昇し、上空の冷たい空気との対流が起こって積乱雲は発生します。夏の熱い空気には水蒸気が多く含まれ、これが上空で冷やされると氷の粒や「あられ」となります。落雷はこれらが上空でぶつかりあうことによって静電気を発生させ、たまった電気が地上に向かって放たれるために起こります。
このような天気の急変に伴う落雷は、気温が上昇ピークを迎える昼過ぎから夕方ごろに多く見られます。落雷そのものを防ぐことはむずかしいですが、スポーツ活動中に落雷が起こる可能性を考えて、あらかじめ天気予報を確認したり、落雷に対する準備を前もって行っておき、避難場所の確認や誘導経路などを把握し、落雷事故を未然に防ぐようにしましょう。
積乱雲が近づく兆しとしては、
・急に暗くなる
・短時間で厚い雲で覆われた空になる
・ヒヤッとした冷たい風が吹く
・大粒の雨や「ひょう」が降る
といったことが挙げられます。このような天気の急変が見られたら、バットなど長い道具はすぐに手放し、避難するようにします。落雷に体する安全な避難場所としては、四方を囲まれた建物や車の中などです。グランドやベンチなどは囲まれた建物ではないので避難場所には不向きです。木の近くで雨宿りすることがあるかもしれませんが、木のそばもやはり避難場所には不向きです。なるべく姿勢を低くした状態で、雷鳴の間にすばやく避難するようにしましょう。
万が一落雷事故に遭遇したときは、すぐに救急車を要請し、雷を受けた人を安全な場所に移動させて心肺蘇生法（AEDを含む）を実施します。倒れた人を触っても雷の電気は放電されているため、救助者が感電することはありません。迅速な応急処置が人命救助につながります。落雷に対する正しい知識と万が一遭遇した時の対応についてはしっかりと理解しておきましょう。
文：西村 典子
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