News

首都大学野球リーグで投球数ガイドラインを導入

2018.03.02

首都大学野球リーグで投球数ガイドラインを導入 | 高校野球ドットコム

 日本体育大、筑波大、東海大などが加盟する首都大学野球連盟は昨日、今春のリーグ戦日程を発表しましたが、同時に今シーズンから投手の故障を予防するために『投球数ガイドライン』を導入するとも発表しました。

 ガイドラインは以下の通りになります。

① 先発1戦目は投球数を制限しない。
② 2戦目は投球数を50球までとする。ただし、投球中に50球を超えた場合は、イニング終了までの投球を可能とする。
③ 1戦目で120球以下だった場合は、連投を妨げない。
④ 雨天等で1日空けた場合は、制限を設けない。

 首都大学野球連盟では「医科学専門プロジェクトチーム」を立ち上げて、2012年秋から全チームのリーグ戦投球数を調査してきました。今回のガイドラインは違反しても罰則規定は設けず、提言として運用するとのことです。

 昨今、高校野球を含めて各団体で投球制限を設けたらどうかという話は出ています。実際に指導者の方にお話を伺っても、その苦悩を語る方もいます。高校ほど話題にはなりませんが、戦力が拮抗した大学のリーグ戦では、延長戦が多くなってしまって2カ月近くある1シーズンの投球数が1000球を超える投手も時々出ます。もし春と秋の2シーズンで2000球近く投げる可能性があるかもしれないと考えると・・・

 実は高校以上に大学の方が投手の登板過多という点では深刻に考えなければいけないこともあるのかもしれません。

 ただ、1試合の中で投球数を制限してしまうと、野球というスポーツは1イニングで制限数を超えてしまう可能性があります。(確率は低いかもしれませんが、可能性は0ではありません)

 今回の首都大学野球連盟はそうではなくて、連日の試合になった場合、その1戦目の投球数に着目して2戦目になる試合で投球数に制限を設けるガイドラインを作りました。これは全国の26連盟ある大学リーグの中でも初めてのニュースです。

 今後このシステムに着目してくる大学リーグがあるかもしれません。初めてのことでどんな結果になるかはまだわかりませんが、注目して見ていきたいですね。

 ただし、2戦先勝で勝ち点を得られる方式のリーグ戦(首都大学野球2部は勝率方式のリーグ戦)と、トーナメント戦ではまた違った要素があります。トーナメントで運用するにはまだまだ慎重に検討を重ねる必要があると思いますので、「高野連もすぐに導入すべきだ」という風潮だけにしないようには気をつけたいものだと考えます。ただ、一つのきっかけになれば、また野球界は一歩前進するのではないかとも思います。

 今シーズンは日本体育大の松本航投手(明石商)、東妻勇輔投手(智辯和歌山)、東海大の青島凌也投手(東海大相模)などドラフト候補が多い首都大学リーグ。開幕は4月1日です。

関連記事
● 桐蔭横浜大(神奈川)齊藤 博久監督「選手主体のゲームプラン作り」【前編】
● 大学野球選手権を通して再考したい休養日について
● 大学選手権とプロ野球の日程に見える因果関係!?
● 今からでも間に合う!東京六大学野球の楽しみ方

(文:松倉雄太)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.18

【神奈川】保土ヶ谷球場では慶應義塾、横浜が登場!東海大相模は桐蔭学園と対戦!<春季県大会4回戦組み合わせ>

2024.04.19

【島根】石見智翠館、三刀屋がコールド発進<春季県大会>

2024.04.19

【山口】下関国際、高川学園、宇部鴻城がコールド発進<春季大会>

2024.04.19

【春季千葉大会展望】近年の千葉をリードする専大松戸、木更津総合が同ブロックに! 注目ブロック、キーマンを徹底紹介

2024.04.19

【福岡】福岡大大濠-福岡、西日本短大附-祐誠、東筑-折尾愛真など好カード<春季地区大会>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード