野球につながる腹筋とは??
腹筋は背筋よりも弱いので回数を増やしたり、強度を上げたりしてみよう
■野球につながる腹筋とは??
オフシーズンになり、基礎体力強化を目的としたトレーニング期になるとよく聞かれるのが「どのような腹筋をしたらいいですか?」というもの。体力レベルは個人によって違うのでひとくくりにまとめてしまうのは難しいのですが、少なくとも「見せる」腹筋ではなく、野球で「使える」腹筋トレーニングを行う必要があります。また回数ばかりを追い求めるのではなく、しっかりと腹筋に負荷がかかり、筋力と筋持久力の強化につながるようなトレーニングであることも大切です。
まず考えたいのが腹筋と背筋のバランスです。背筋は日常生活の中でも常に使うことの多い筋肉であり、強い力を発揮することが可能ですが、腹筋は自らトレーニングを行っていかないとなかなか強化できません。腹筋と背筋の回数を同じように行っているところもあると思いますが、できれば腹筋の回数を背筋よりも多めに設定したり、腹筋にはさまざまな負荷をかけて(たとえば5kgプレートを持って起き上がるなど)行ったりといったことで強い背筋とのバランスをとっていくことが大切です。背筋が強すぎる(もしくは腹筋が弱すぎる)と背中が反って腰を痛めやすくなります。ケガ予防という点から見ても腹筋の強化はアスリートにとって大切なものです。
また身体を丸めて腹直筋を鍛えるようなトレーニングだけではなく、さまざまな種類のトレーニングを行うことも効果的です。特に身体の側面にある腰方形筋を鍛えたり、ひねり動作を加えてツイスト運動を行ったりすることは身体の「前後」だけではなく「左右」のブレを改善し、ピッチングやバッティングなどの動作に安定性を高める効果が期待できます。さらには腹筋運動には寝転がって行うものが多くありますが、身体を起こした状態でトレーニングをするとさらに野球の動作に近づけることができます。メディシンボールなどを使ってサイドスローを行ったり、ツイストランジを行ったりすることで腹直筋だけではなく、腹斜筋(斜めに走行する腹筋)や腰方形筋などを鍛えることができます。
毎日同じトレーニング内容では少し慣れてきてしまうかもしれませんので、さまざまな腹筋トレーニングを組み込みながら行うようにしてみてくださいね。
文:西村 典子
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