雨の日のコンディショニング方法について考えてみよう
グランドのぬかるみは足元や膝、腰などの荷重関節に負担がかかりやすくケガをしやすいので注意が必要
雨の日のコンディショニング方法について考えてみよう
雨の多い時期になってくるとグランド不良で練習できないことも増えてくると思います。また練習ができたとしても足元がぬかるんでいて思わぬケガをしてしまうことがあるかもしれません。天気のいい日と違って雨の日に特に気をつけておきたいことなどを考えてみましょう。
《グランド状態(路面)が悪い》
これは誰しもが思いつくものですが、グランド状態が良くないと滑りやすかったり、足元をとられて転んでしまったりといったことが考えられます。特に足首の捻挫を経験したことのある選手や膝、腰などを痛めたことのある選手はウォームアップをより入念に行い、必要に応じてテーピングを行ったりサポーターを装着したりするなど、あらかじめケガの予防に備えておくと安心です。屋内で練習を行う時にも床などが滑らないようにあらかじめ拭いておいたり、使っている靴底をチェックしたりして転倒予防に努めましょう。
《痛みを感じやすい》
痛みを感じるメカニズムの原因としては交感神経による働きが挙げられます。曇りや雨などの低気圧状態を身体が察知すると、耳の奥にある内耳という気圧受容体が反応して交感神経が刺激されます。交感神経が優位に働くと血管を収縮させるため、患部周辺部の痛覚が刺激されて興奮し、痛みを感じるのではないかといわれています。また痛みを感じる閾値(いきち=限界値のようなもの、これを超えると痛みを感じる)は、低気圧状態や低温度になると下がるといわれており、より痛みを感じやすくなります。以前にケガをした部位を中心に痛みを感じやすいため、患部を温めたり、ウォームアップを入念に行うなどの対策をとるようにしましょう。
《練習後に肌寒さを感じやすい》
練習中は汗をかき、身体が温かく感じているのでさほど気になりませんが、練習後しばらくすると急に肌寒く感じることがあります。雨の日は晴れている日よりも気温が下がっていることが多いので、身体が冷えやすくなります。汗をかいたウエアはすぐに着替える、タオルで汗を拭くなどを心がけ、身体を急激に冷やさないようにしましょう。練習後のクールダウンを屋外で行う時は屋内に移動して行う、または短時間でできるものにとどめて帰宅後の入浴後などに入念に行うなど身体を冷やさない工夫をしてみましょう。
文:西村 典子
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