2020年より完全新作として全国の店舗に並んでいるミズノプロシリーズの「5DNAテクノロジー(以下、5DNA)」。
 これまではプロ野球選手の声を集めて開発してきたが、ミズノが契約しているプロ野球選手が実際に使用しているグラブからデータを収集する。これまでとは真逆となる完成形から逆算して開発していく手法で、理想的なキャッチングを実現させる。ここをテーマに企画・開発されたミズノプロシリーズのグラブ・5DNAは多くのプロ選手のみならずアマチュア球界でも人気が高まっており、グラブ市場をにぎわせている。

 そんな人気グラブを詳しく知るべく、球児たちとのかかわりが多い野球専門店を取材した。今回は「シモキタ」の愛称で若者層に親しまれている下北沢に店舗を構え、店内には「ブルペン」と呼ばれる1500個ほどのグラブが陳列されている専用スペースを所有するベースボールマリオへ訪問。人気グラブ・5DNAの魅力を聞かせていただいた。

 まず5DNAに対して球児をはじめ、お客様はどのような反応をされているのか。リアクションを聞かせていただくと、驚きの声が多いそうだ。
 「5DNAは使い込むほどに良さが発揮されるグラブなので、接客する際は最初に使い込んだサンプルのグラブを手に取ってもらいます。すると革は適度に伸びているんですが、手に馴染んでいてベルト部分にあるハイブリッドムートンも感触が良いこともあって、『いいねぇ』と驚きながらも納得される方が多い印象です」

 現在、ベースボールマリオで店長として勤務されている澤木勇太郎さんも、5DNAが店頭に届いた際は、「最初はびっくりしました」とお客様同様に、驚きは隠せなかった。ただ、同時に「さすがミズノだな」という印象に変わったと話す。

 「グラブにとって手首回りが永遠のテーマだと僕は思っているんです。使う人によって手の大きさはバラバラなので、多くの人にフィットするようなデザインを作るのが、課題だと感じていました。だからハイブリッドムートンができたことをきっかけに、手首回りの重要性にスポットが当てられるのはいいことだと思います」



左:2020年モデル 右:2022年モデル

 ハイブリッドムートンとは、5DNAシリーズから搭載された新機能。ベロ裏(グラブをはめた際に手首部分)のなかでも、特に小指側へ人工材のクッションを入れることで、捕球動作はもちろん、グラブをつけている際のフィット感を高めている。

 20年モデルではクッションを出しているが、22年モデルではムートン内部に入れる種類も追加。20年モデルで違和感を覚えていた人でも、馴染みやすいパターンを開発した。これに関して、澤木店長は好みが分かれる部分だと考えつつも、ハイブリッドムートンそのものの良さをグラブの作りから改めて説明する。

 「親指部分の革はグラブの中でも大きいので、使い込んでいくと伸びてしまうんです。だからベルト部分が緩んでフィット感が失われがちです。そこにハイブリッドムートンを入れて使い込んでもフィット感を作ることが目的なので、新品の20年モデルをはめた時に違和感があるのは当然です。ただ、使い込むと親指部分の革が伸びることで、緩むところをハイブリッドムートンでフィット感を適度に維持できるんです。
 もしそれでも我慢ができない、最初からフィット感のいいグラブが良ければ、22年モデルでお話をするようにしています」