森友哉選手や千賀滉大投手など、多くの一流プロ野球選手のグラブを手がけるゼット。中でも内野手用グラブは、埼玉西武ライオンズの名手・源田壮亮選手が社会人野球時代から愛用しており、さらに今年からは福岡ソフトバンクホークスの今宮健太選手も新たに契約した。

 球界を代表する二人の遊撃手がゼットのグラブを手にするが、今回はゼットのグラブ制作者である角正義弘さんに、今宮選手のグラブ制作秘話を語っていただいた。グラブの特徴や今宮選手のグラブへのこだわり、またどんなタイプの選手に今宮選手のモデルを使ってもらいたいか、たっぷりと語っていただいた。

 近年、今宮選手の守備を参考にする選手は非常に多い。守備へのこだわりの一端が見えてくるので、是非参考にしていただきたい。

グラブの手入れ感やフィット感が決め手に



グラブ制作者の角正義弘さん

―― 本日はよろしくお願いします。まず今宮選手が、ゼットのグラブを選ばれたのはどんな理由からでしょうか?

角正義弘さん(以下、角正) グラブの手入れ感やフィット感、捕球時の吸いつく感覚が他のメーカーさんと大きく違ったのではないかと思っています。正面のゴロはもちろん、逆シングルやフォアハンドでグラブの先で捕球した時でも、手のひらで捕っている感覚があります。そこが決め手になったのではないでしょうか。

―― 今宮選手が契約され、源田壮亮選手に続いて球界を代表する遊撃手がゼットのグラブを手にされました。制作担当者として、どのようなお気持ちでしょうか?

角正 非常にありがたいことです。これからも満足いただけるものを作りたいと思います。

―― 今宮選手のグラブの特徴についてお伺いしますが、今回のモデルはどのような特徴があるのでしょうか?

角正 今宮選手のグラブは、他の選手と比べてポケットが深く設計されています。 身体能力が非常に高く、逆シングルで捕って肩で魅せるプレイヤーなので、逆シングルでの捕球に重きを置いています。逆シングル時の「捕った感」を大事にしており、ポケットを深く設計したのも、安心感を求めているからではないでしょうか。

―― 最近では今宮選手を参考にする中学、高校球児も非常に多いです。どんなタイプの選手に今宮選手のモデルを使ってもらいたいでしょうか?

角正 今宮選手のモデルに関しては非常にオーソドックスな形で、全選手が使用できるようなモデルになっています。一人でも多くの選手に使っていただき、是非甲子園でプレーしていだきたいと思います。

 また今の話に加えて、最近の中高生は親指と小指をくっつけるような形で捕球しています。これだとグラブからボールが出てしまうので、ボールを挟むような形が良いです。特に逆シングルの時などは、斜めに挟むように捕ればポケットにスポッと収まる形になります。

 親指と小指をくっつけるようにして、地面にグラブを立たせようとする風潮がありますが、立つグラブが良いグラブではないと思っています。挟んで捕球する意識を持てば、より良いプレーができるはずです。

(記事=栗崎祐太朗)