「運動、栄養、休息」と多角的に球児をサポート ゼット フィジカル事業 田月裕也さん・桐畑純一さん
野球用具メーカーとして、長年球児たちの野球用具を支えてきたゼット。実は用具以外の面でも、球児たちをサポートしてきてきたことをご存知だろうか。
ゼットは30年近くに渡り球児の体力面にフォーカスして、20項目以上に及ぶ体力測定を行うサポートを行ってきた。またオーダープロテインや加圧トレーニングなど、実際に体力、筋力を向上させるための製品も取り扱っている。
今回は、そんな球児たちの体力面のサポートを行っているフィジカル事業の田月裕也さんと桐畑純一さんにお話を伺い、その魅力について語って頂いた。
他校との比較も出来る22項目の体力測定
ゼット フィジカル事業の田月裕也さん(左)と桐畑純一さん(右)
―― 本日はよろしくお願いします。まずゼットがどういった経緯で、球児たちの体力面のサポートを行うようになったか教えて下さい。
田月裕也さん(以下、田月) コンディショニングのサポートは今年で27年目になるのですが、野球用具を売ったらそれで終わりでは無く、用具以外の所からもサポートしていこうというところから始まりました。
桐畑純一さん(以下、桐畑) そこで着目したのが体力面でした。まずは社会人野球の指導者の皆様にご協力をいただきながら、高校生がプレーするためにはどれぐらいの体力を持っておかないといけないのか調査するところからスタートしたと聞いています。
―― 現在は具体的にどのような体力測定を行っているのでしょうか?
田月 種目としては22種目あるのですが、筋力や柔軟性、スピードにパワーといった様々な角度から体力を測定することで、その選手はどれぐらいの体力を持っているのかを確定します。また測定した結果を、データできちんとフィードバックすることも忘れません。その場で測定データを出力して、あらゆる面から話を選手にさせてもらうようにしています。
桐畑 そ会社としては20年以上測定を続けているので、過去のデータの蓄積から野球の上手い選手やドラフトに指名された選手のデータを基に、数値比較が可能になりますので、「現在の選手に足りないものは何か」を選手やチームにお伝えできるのが強みだと思っています。
―― 実績として、年間でどれくらいのチームが測定をされているのでしょうか?
田月 高校野球であれば、現在は200校以上のチームが測定されています。もちろん測定は年1回ではないので、オフシーズンの前に1回行い、シーズンに入る前にもう1回測定して成長を見るといった具合に、だいたい年間で2回測定されますね。
人数にすると毎年6000人から7000人の測定を行いますので、データとしては1万2千以上のデータが蓄積されていることになります。
桐畑 もちろん過去のデータとの比較も出来ますし、測定いただいているチームにはデータは公表の許可も頂いています。ですので他校のデータと比較することができるのも大きな特徴ですね。
―― 実際に、過去に測定結果の向上が成績やパフォーマンスの向上に繋がった例はありますか?
田月 たくさんありますね!高い数値を持ってる選手が、必ずしも良い結果を残すとは言えませんが、ただ良い野球選手が良い数値を出すことはほぼ間違いないかなと思います。チームで見ても、結果を残したチームのデータ見るとほぼほぼ高いです。
桐畑 印象に残っている選手だと、4季連続で甲子園に出場したある高校のレギュラーだった選手です。その選手は入学した時は本当に普通の高校1年生だったのですが、彼なりに必死に努力をして食事などの勉強もして、測定の数値をどんどん上げていきました。そして最終的にはプロにも進むことが出来たので、目標に向かって頑張った代表的な選手かなと思います。
[page_break:選手たちだけでも使用できる加圧ベルト「BASEBALL KAATS」]選手たちだけでも使用できる加圧ベルト「BASEBALL KAATS」
フィジカル事業について語る田月裕也さん(左)と桐畑純一さん(右)
―― 続いて加圧トレーニングについてお伺いしたいと思います。加圧トレーニングについて簡単に教えていただけますでしょうか。
田月 まず簡単に加圧トレーニングについてご説明すると、腕や足の付け根にベルトで圧力を加えていくと血液からの酸素の供給を一時的に減らして低酸素状態を作ることができます。その状態でトレーニングを行うと、通常よりも乳酸の値がどんどん増えていき成長ホルモンが分泌されていきます。そのメカニズムを利用して、短時間で効率よくトレーニングが出来るのが加圧トレーニングです。
桐畑 成長ホルモンによって促されるものは、背を伸ばすことであったり怪我を治すこと、そして筋肥大をさせることです。それを野球選手としてのトレーニングに活かしていこうと生まれたのが、ゼットが取り扱っている加圧ベルト「BASEBALL KAATS(ベースボール・カーツ)」ですね。
「BASEBALL KAATS」はトレーニングツールの一つとして、専用のウェアと専用のベルトを使ってご利用頂いています。
―― なるほど!ちなみに「BASEBALL KAATS」の特徴としてどんなものが挙げられますか?
田月 今巷に出てる加圧トレーニングは非常に高圧のものなので、トレーニングの際は原則的にマンツーマンで行わなければなりません。
しかし弊社の「BASEBALL KAATS」は、そこまでの圧をかけずに自分一人でも使用出来るように開発されたものですので、非常に安全に成長ホルモンを出すことができる商品ですね。普段は私たちの指導が無くても、選手たちだけで使用して頂いています。
桐畑 また導入して頂く際には私たち指導員が基礎の講習を行い、ベルトのサイズも定期的に再計測させて頂いています。やはり体も成長するのでサイズのリニューアルが必要ですし、どんなメニューを行ったらいいのかというサポートも行っています。
もちろん指導員の全員が免許の有資格者です。
―― 具体的に「BASEBALL KAATS」はどのような使われ方をしていますか?
田月 例えばですが、「KAATSベルト」をつけて上半身のトレーニングを10分2セット行うのと、普通にトレーニングを1時間行うのとでも、成長ホルモンの分泌はほぼ同等の量が出ます。トレーニングの時間の短縮がとても出来るんですね。
なので、進学校で練習時間がなかなか取れない学校や、部員が多くてトレーニングの機材が足りないチームにもかなり採用いただいています。
桐畑 また高校生だけで無く、中学生にも「BASEBALL KAATS」はうってつけです。中学生は成長期なので、この時期にしっかり背を伸ばす為にも成長ホルモンは非常に必要です。トレーニングも重たいものを持つのでは無く、ベルトをつけて普通に動くだけでも十分な運動量です。
最近は、中学から高校までの6年間「BASEBALL KAATS」を使ってくれる選手も増えてきましたね。
栄養がカスタマイズできるオーダープロテイン
オーダープロテインとプロテインふりかけを持つ田月裕也さん(右)と桐畑純一さん(左)
―― それでは最後にプロテインについて伺っていきたいと思います。ゼットのプロテインはオーダーメイドだと伺いましたが、具体的にどのようなものなのでしょうか?
田月 栄養素の配分を決められるところが、他社の製品とは違うところかなと思います。例えば、怪我が多いといった要望であればマグネシウムを少し増やしたり、補食も摂っているのに体重がどうしても増えないといった要望があればプロテイン中にちょっとでも炭水化物を増やしたり、そういった栄養素をチームの要望によって変えていけるというのが大きな特徴だと思います。
桐畑 最初にヒアリングシートを書いてもらうのですが、週に何日練習をやってるか、練習時間はどれくらいかなど普段の情報を聞いていき、それを基にどういった内容量でいくか決めていきます。
―― 体力測定を行っているチームであれば、測定データに基づいた提案もできるということですね。
田月 そうですね!チームに合ったプロテインを提案できるので、「オフシーズンはこの配合で行きましょう、試合時期はこの配合で行きましょう」と時期によって配合も変えることもできます。
桐畑 なので、提案する我々も普段からかなり勉強しないといけません。勉強会を最低でも月に1回は行なっており、選手に的確な提案を行えるようにしています。
ゼットのオーダープロテインとプロテインふりかけ
―― 最近ではオーダープロテインに加えてご飯と一緒に摂るプロテインも出たと聞きましたが。
田月 はい、炊飯器に入れてお米と一緒に炊くタイプのプロテインとふりかけタイプのプロテインが登場しました。これはかなり画期的だと思います。これは大豆でできているので、ご飯と一緒に気軽にタンパク質を摂ることが出来るというものです。
桐畑 高校野球で補食を摂るチームはもう少なくないと思いますし、マネージャーがおにぎりを握っている光景はもう珍しくないと思います。
やはりずっと体を動かすと脂肪と筋肉がどちらも分解されていくので、それを防ぐためにまずは白ご飯を食べましょうと。そして本来はそこに卵や納豆などのタンパク質をかけたいところですが、手軽に持ち歩くことはできないので是非ふりかけを使って頂きたいなと思います。
田月さん、桐畑さん、今回はありがとうございました。
ゼット社のコンディショニング事業では、運動、栄養、休息などあらゆる面から全国の球児をサポートしていると知ることが出来ました。体力測定に「BASEBALL KAATS」、そしてプロテインなど、興味のあるチームや選手は是非取り入れて見てはいかがでしょうか。