2018年夏、第100回大会の南福岡代表で甲子園に出場した沖学園は、大阪桐蔭(大阪)に敗れたものの、1勝をつかむなど全国の舞台で確かな手ごたえをつかんだ。

 その後、激戦区・福岡で、強打を武器にライバルたちに揉まれながら成長し続けているが、2023年度からは新しいスタッフが加わった。NPBで選手としてはもちろん、コーチ、さらには監督としても活躍した森脇浩司氏がシニアディレクターとして加わった。

 取材当日も選手たちに身振り手振りを交えながら指導している姿が見られた。決して押し付けるような口調ではなく、あくまでアドバイスとして選手に寄り添うような指導が印象的だった。森脇氏も「選手の特徴を知ることは意識しています」と選手個々にあわせた柔軟な指導を心がけている。指導者としての責任を感じながら、選手たちのために日々グラウンドに立っている。

 高校通算15本塁打を記録する内藤 颯内野手(3年)は「最初は驚きました」と元プロ野球選手が加わることに驚きを隠せなかったが、「優しいですし、わかりやすく改善しようと教えてくれます」と選手たちの目線にあわせた指導に感謝していた。

 5年ぶりの夏甲子園を目指す沖学園に頼もしいスタッフが加わった。秋、そして春はもう一歩、上位進出に至らなかったが、この夏は一味違う強さを見せてほしい。

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