長澤元(大阪桐蔭)

トーナメント表
第95回センバツ大会の勝ち上がり

 第95回選抜高校野球大会は31日に準決勝が行われ、いよいよ大詰めを迎える。優勝まで残り2試合。勝ち残った4チームは30日の休養日を有効に利用し、準決勝に備える。

 ベスト4に勝ち上がったのは史上初の2度目の春連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)をはじめ、昨年夏甲子園覇者の仙台育英(宮城)をタイブレークの末に破り勢いに乗る報徳学園(兵庫)、昨年秋の明治神宮大会準優勝の広陵(広島)、昨年秋の関東王者で初の4強を決めた山梨学院(山梨)と強豪が揃い、どこが優勝してもおかしくない。

 準決勝に向けて、ここまで順調に結果を残して勢いに乗りたい選手もいれば、逆にここまで結果が出ずにこの大一番で奮起を図りたいと、もがいている選手もいるはず。そこでこの4チームで、いわゆる結果が出ずに「不調」にもがいている選手をピックアップしてみた。

大阪桐蔭6番・長澤 元外野手(3年).111(9打数1安打)
報徳学園5番・辻田 剛暉内野手(3年).231(13打数3安打)
山梨学院9番・伊藤 光輝内野手(3年).091(11打数1安打)
広陵5番・只石 貫太捕手(2年).154(13打数2安打)
(※打順は準々決勝より)

 もちろん、この4人は本来の力を出し切れていないだけで、残り2試合で大ブレークする可能性を秘めている。大阪桐蔭の長澤は準々決勝でようやく甲子園初安打が生まれ、気持ちのなかで何か吹っ切れたものが生まれているかもしれない。報徳学園の辻田と広陵の只石は5番打者。もともとは力を持っているはずで、ひとつの小さなきっかけで長打を放つかもしれない。山梨学院の伊藤は自身唯一の安打を、今大会でも好投手として評価が高い光(山口)の升田 早人投手(3年)から放っている。

 甲子園はときに「シンデレラ」の高校球児を生み出す。今センバツの優勝の行方を握るのは、案外この4人かもしれない。