
本塁打を放った慶應義塾・清原 勝児
トーナメント表
・第95回センバツ大会の組み合わせ
<練習試合:慶應義塾5ー5東海大相模>◇11日◇東海大相模グラウンド
18日から開幕する第95回記念選抜高等学校野球大会へ出場する慶應義塾(神奈川)。初戦は仙台育英(宮城)との強豪校との対戦になり、注目度が高まっている。
なかでも注目されるのは清原 勝児内野手(2年)だ。元プロ野球選手の父・和博氏を持つことで有名で、秋は自慢のバッティングでチームに貢献。春以降も同様の活躍が期待されているが、11日の東海大相模との練習試合では、そのバッティングでチームに貢献してみせた。
5番三塁手でスタメン出場すると、第1打席は東海大相模・子安 秀弥投手(3年)の直球に差し込まれて二飛。「好投手なので初球から振っていこうと思いましたが、手が出なかったのは反省です」と本来の打撃を発揮できなかったが、第3打席ですかさず修正。追い込まれたものの、真ん中ややインコース寄りの直球を左翼へはじき返すホームランで5対2と中押しに成功した。
修正したのは打席での準備だ。子安のテンポの良い投球によって「構え遅れていたので、タイミングも遅れてしまった」と差し込まれた要因を分析。普段から意識しているセンター返しをするためにも、「早めにタイミングをとってポイントを前に置くことで、ストレートを打ち返せるようにしました」と自分のポイントで振れるように準備を早めた。
加えて追い込まれていたからこそ、狙い球を割り切って絞ったことも功を奏した。
「3ボール2ストライクから三振することが多い中で、コンパクトにスイングできたことも収穫でしたが、ストレートが多かったので意識しつつ『インコースは回転で、アウトコースのスライダーはファウルでもいい』と思って打席に立っていました。そのなかでインコース寄りのストレートが来たので、反応して回転で捉えられたと思います」
見事な対応での一発にも「少し詰まったので行くかわかりませんでしたが、振り切れたこともあって入ったと思いますので、よかったです」と通算9本目のホームランは会心の一撃ではなかった模様。それでもスイングスピードを強化してきた冬場の成果には手ごたえを感じていた。
この一発に「こういった日に打つんですから、もっているんだと思います」と指揮官・森林監督。そのチャンスを逃さずにつかんだ清原の反省に基づく準備と、実行できる対応力が垣間見えたホームランだった。初戦の仙台育英は好投手揃いで、最初から簡単に攻略できるとは限らない。しかし、この試合のように対応していければ、チャンスはあるはずだ。
秋は専大松戸・平野 大地投手(3年)に抑えられて、スイングスピードを強化してきた。その成果を発揮するにはうってつけの投手揃いの強豪から、ホームランが飛び出すか楽しみである。

本塁打を放つ慶應義塾・清原 勝児

本塁打を放つ慶應義塾・清原 勝児

本塁打を放つ慶應義塾・清原 勝児

本塁打を放つ慶應義塾・清原 勝児