松本 哲幣

 第95回記念大会となる23年センバツが3月18日に開幕する。コロナ禍以前のように、全校による開会式が行われるなど、大会は熱気を帯びることが予想され、甲子園の舞台での球児たちの全力プレーが期待される。出場を決めた各校の過去のセンバツの記憶をたどってみる。

 昨年の秋季北信越大会で準優勝した敦賀気比(福井)は、3年連続10度目のセンバツ出場を決めた。過去の主なセンバツ成績は以下の通り。

★1998年
2回戦:〇4対1 島田商(静岡)
3回戦:●1対3 PL学園(大阪)

 センバツ初出場は98年。いわゆる「松坂世代」の大会だった。エースでもあった東出 輝裕内野手(元広島)が「1番」「主将」の大黒柱としてチームを支え、初戦を突破した。

★2013年
1回戦:〇11対2 沖縄尚学(沖縄)
2回戦:〇6対5 京都翔英(京都)
3回戦:〇3対0 盛岡大附(岩手)
準々決勝:〇9対3 聖光学院(福島)
準決勝:●1対5 浦和学院(埼玉)

 記念大会に出場したこの年に、初めて4強入りを果たした。右腕エース・岸本 淳希投手(元中日)が1完封を含め3試合で完投する活躍を見せた。北信越勢のセンバツ4強入りは02年の福井商(福井)以来、11年ぶりのことだった。

★2015年
1回戦:〇3対0 奈良大附(奈良)
2回戦:〇2対1 仙台育英(宮城)
準々決勝:〇4対3 静岡(静岡)
準決勝:〇11対0 大阪桐蔭(大阪)
決勝:〇3対1 東海大四(現・東海大札幌=北海道)

 春夏通じて初の甲子園優勝を果たし、北陸勢として春夏通じて初めて全国制覇を成し遂げた。右腕エース・平沼 翔太投手(西武)が大黒柱として守りの中心を担ったが、この大会でブレークしたのが、背番号17の松本 哲幣外野手(元エイジェック)だった。準決勝の大阪桐蔭戦の初回に満塁弾を放つと、2回に再び回ってきた満塁のチャンスでまたも満塁弾。史上初の2打席連続満塁弾をマークして一躍有名になった。決勝でも8回に優勝をもたらす決勝2ランを放ってみせた。マウンドで平沼が躍動し、打線ではシンデレラボーイが登場。筑波大で主将も務め、大学日本代表でも主将を務めた篠原 涼内野手(ENEOS)が主将としてチームを引っ張るなど、完成されたチームでもあった。

 今季からレッドソックスに移籍した吉田 正尚外野手をはじめ多くのプロ野球選手を輩出。北信越のみならず、今や全国の強豪となった敦賀気比を象徴する優勝でもあった。

(記事=編集部)