作新学院時代の江川卓(写真提供=手束仁)

 今年、第95回センバツ大会は3月18日に開幕する。今年は記念大会で4枠増枠となり36校が出場。5回大会ごとに行われてきた記念大会の歴史を紐解いてみることにする。第3弾は1973年(昭48)の第45回大会。

 出場枠は30校。この大会前まで、唯一出場がなかった山形から日大山形が初出場を果たしたことで、47都道府県すべてで代表校を出したことになった。ちなみに日大山形は初戦で(鳥取)に勝利。春夏通じて甲子園の勝利がなかった山形県勢が初めて手にした白星となった。

 マウンドでは伝説の右腕が快投を演じた。作新学院(栃木)の「怪物」こと、江川 卓投手(元巨人)が60三振を奪い、43年ぶりに大会記録を更新した。開会式直後の第1試合で、北陽(現関大北陽=大阪)相手に19奪三振。試合開始から5人目で初めてバットをかすった時、観客からどよめきが起こったという。

 優勝したのは横浜(神奈川)だった。小倉商(福岡)との初戦、2対2で迎えた延長13回に、長崎 誠外野手(3年)が大会史上初のサヨナラ満塁本塁打を放って劇的勝利。その勢いで初出場初優勝を飾った。

<第45回大会出場校>
【北海道・東北】
函館有斗(北海道=初出場)
日大山形(山形=初出場)

【関東】
作新学院(栃木)
銚子商(千葉)
桜美林(東京)
日大一(東京)
横浜(神奈川)

【中部】
静岡商(静岡)
東邦(愛知)
中京商(岐阜)

【北信越】
丸子実(長野)
福井商(福井)

【近畿】
京都商(京都)
北陽(大阪)
報徳学園(兵庫)
天理(奈良)
向陽(和歌山)
和歌山工(和歌山)

【中国】
岡山東商(岡山)
広島商(広島)
(鳥取=初出場)
松江商(島根)
岩国(山口)

【四国】
高松商(香川)
鳴門工(徳島=初出場)
今治西(愛媛)

【九州】
小倉南(福岡=初出場)
小倉商(福岡=初出場)
唐津商(佐賀)
前原(沖縄=初出場)

※校名は当時