
記念撮影をする天理の選手たち
2022年の高校野球のイベントは終了。今年も全国の球児たちが全力を尽くしたプレーで多くの熱いドラマを演じ、高校野球ファンを魅了してきた。球児たちの今年の頑張りを各都道府県ごとに振り返ってみたい。
今年の奈良の話題をさらったのは、天理と生駒の物語だろう。夏の選手権決勝、甲子園をかけた戦いに挑んだ天理と生駒だったが、生駒ナインにコロナ感染という悪夢が襲い掛かり、出場辞退の危機へと追い込まれる。なんとか出場にはこぎつけたが、主力メンバーをかいた生駒は天理に0対21で敗れてしまった。しかし両校は後日、「再戦」を果たす。決勝の舞台に立つはずだった生駒の主力メンバーと天理のベストメンバーが対戦。結局、天理が勝利し、天理ナインが決勝で自粛していた歓喜の輪を爆発させるが、その歓喜の輪に、生駒ナインも駆けつけて一緒に手を上げて喜び合った。高校野球の原点を再認識させられるシーンでもあった。
夏の予選では奈良北の足立 啓人投手(3年)が3回戦の帝塚山戦で29年ぶりのノーヒットノーランを達成する快挙もあった。
今年は春夏連続で天理が甲子園出場を決めるなど、近年は天理と智辯学園の2強が奈良を引っ張っている。しかし、今年の春は奈良大附が優勝。夏準優勝の生駒は春夏秋とすべて8強以上の成績を収め旋風を巻き起こした。秋は高田商が準優勝を果たした。2強中心の構図は変わらないが、崩せない壁ではない状況になってきているのは確かだ。来年は風向きが大きくなる年になるかもしれない。
▽2022年奈良県代表の甲子園成績
★センバツ
天理 初戦敗退
1回戦●4-5 星稜(石川)
★夏甲子園
天理 2回戦敗退
1回戦〇2-1 山梨学院(山梨)
2回戦●2-4 海星(長崎)
▽奈良県2022年主な大会記録
【春季】
優勝 奈良大附
準優勝 天理
3位 御所実
4位 畝傍
8強 郡山
桜井
奈良
生駒