11月23日、兵庫の強豪・が、岐阜県の名門校・県立岐阜商とお別れ試合を開催。夏の甲子園のときにできなかった両チームのフルメンバーでの真剣勝負が繰り広げられるはずだったが、朝から降り続く雨の影響で試合中止にせざるを得ず、簡単な交流会のみ行われることになった。

 夏の甲子園では、県立岐阜商の方で新型コロナウイルスの感染者が出てしまったことで、ベンチ入り18人のうち、主力6人を含めたメンバー10人を入れ替え。その時にできるベストな布陣で8月9日に甲子園で戦ったが、結果は10対1でに軍配が上がった。

 その時の再戦ということで、8月14日頃から話が持ち上がり、共通の知人を介しながら、話を進めてきたという。県立岐阜商の指揮官・鍛冶舎監督は「引退試合を組んでいただき、感謝です」と話せば、・山本監督も「試合はできませんでしたが、この時期に3年生がユニホームを来て試合できることは一生の思い出となります」と語っており、試合ができずとも、この日のために充実した時間を過ごせたことに感謝している様子だった。

 選手たちも、この再戦に対して思いは同じだ。
 甲子園では試合に出場していた県立岐阜商の主将・伊藤 颯希外野手(3年)は「甲子園ではご迷惑をかけてしまいましたが、このような機会を準備いただき、会うことができてよかった」ということで、の選手たちと再会できたことにお礼の言葉を述べた。

 対しての主将・後藤 剣士朗内野手(3年)も「試合をすることも楽しみにしていたので残念でしたが、今回を通じて野球をする楽しさを再確認できた」と、一緒に頑張ってきた仲間たちとグラウンドで汗を流した時間は充実していたようだ。

 今回のお別れ試合を開催できないことは残念そうにしている選手たちも多かったが、3年生それぞれが一言話す際は「次のステージでも頑張りましょう」というフレーズが多く聞こえた。この言葉に鍛冶舎監督は、少し安心しているようだった。

 「相手()の選手も全員が『次のステージ』と言っていたと思いますが、それを聞いて『悔しさから、今度は頑張るぞ』と目線が過去から未来に切り替わったと思いました。それだけも今日やれて良かったですし、嬉しかったです」

 次のステージ。ありきたりな言葉かもしれないが、これからがある3年生たちにとっては大事な言葉だ。

 県立岐阜商の3年生の中で「人生という名の試合はまだまだこれからです」と話をする選手がいたが、まさにその通りだ。いつ才能が開花するのか、どこで再会を果たすかわからない。ただ、その瞬間を信じて前に進み続けなければやってこないことだけは事実だ。

 県立岐阜商の選手たちをに招待した今回の試合。この日に対戦することは叶わなかったが、いつの日か再び対戦し、今度はグラウンドで笑顔を見られる日を心待ちにしたい。