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全国初の取り組みが埼玉で開催 186センチの大型投手が交流試合で躍動

2022.11.21

全国初の取り組みが埼玉で開催 186センチの大型投手が交流試合で躍動 | 高校野球ドットコム
鈴木 百太

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 高校野球「革新県」である埼玉県。全国初の取り組み、第1回埼玉県高校野球4地区(東西南北)選抜チーム交流戦が19日、熊谷公園球場で始まった。

 発起人でもある現埼玉県高校野球連盟監督会会長、花咲徳栄・岩井監督は、今回の交流試合の目的・意図についてこう語った。

「監督会のほうで、年に1回生徒・指導者育成、野球人口増加ということで毎年やっていこうと。今年、東西南北の交流戦をやらせてもらえないかということを連盟へ打診したら、是非やりましょうと。準備は監督会だけではできないので、連盟の先生方にもお手伝いしていただいて今回に至りました。

 各県招待試合などはありますが、ちょっとそれとは違った各校1名というのを原則にして。この形は全国初ではないかと。近年部員が足りず連合で出場している子もいますが、そういう子も交流戦に出場するチャンスがあるので、こういう取り組みを考えました。それと11月というのは神宮しか高校野球をやっていないので、この時期に公式戦はできないんですが、こういう形で緊張感のある戦いをレベルの高い生徒が一堂に会してできれば。また、12月のアウトオブシーズンに向けてこうしなければいけない、ああしなければいけないということをチームに持ち帰ってもらいたい。そうすると県のレベルも上がるかなと。それが彼らの使命でもある。毎年行う方向で連盟の先生にも言っている。2年、3年と続くと良い色になるかなと。

 近隣の小学生や野球ファンの方々にいっぱい来てもらえると高校野球人口の増加にも繋がる。プレーしていればこういう場に立てるかもしれないと皆にチャンス出ますから。うまく相乗効果が出ればいいなと思っている。」

 ルールとしては各校から原則1名を選抜、投手は最大3イニングまで。DH制。野球人口減少に歯止めをかけるべく、特に部員数の少ない連合チームの生徒などにとってはモチベーションアップに繋がる施作である。果たしてどのようなスタートを切るのか。


<第1回埼玉県高校野球4地区選抜チーム交流戦:西部14-8北部>◇19日◇交流戦◇熊谷市民
西部:000 812 012 14
北部:213 010 001 8
<バッテリー>
西部:鹿島(山村学園)、西山(川越南)、前原(山村国際)、田中(武蔵越生)-見方(狭山清陵)
北部:鈴木(深谷商)、小島(本庄)、岡田(熊谷工)、竹間(熊谷)、山岸(松山) -吉村(熊谷商)

本塁打:本山(所沢)
三塁打:三上(西武文理)、首藤(川越東)、田中(武蔵越生) 田中(正智深谷)
二塁打:見方、三上

 第1試合は西部地区選抜(以下西部)vs北部地区選抜(以下北部)である。試合は壮絶な打撃戦となった。

 先発は西部が右サイドの鹿島 駿吾投手(山村学園)、一方の北部は鈴木 百太投手(深谷商)で始まる。

 西部の合同練習は1回のみ。一方の北部はこの日のために何と合同練習を6回実施し、さらに選抜チームで単独チームと練習試合も行っている。選抜チーム特有のよそよそしさは全くなく、既にチームになっていた。案の定、試合は序盤から打線が山村学園・鹿島に襲いかかる。

 北部は初回、1死一塁から3番・田中 駿汰外野手(正智深谷)が中越えの適時三塁打を放つと、2死後、暴投で幸先良く2点を先制する。

 北部は2回裏にも、1死一、二塁から9番・小井土 友駿内野手(滑川総合)のところでエンドランを仕掛ける。これはファウルになるが、その後、小井土は左中間へ適時二塁打を放ち3点差。北部は3回裏にも1死三塁から5番・駿河 咲希也外野手(上尾)が左前へポトリと落ちる適時打を放つと、その後、7番・山岸 裕弥内野手(松山)、8番・寺山 壱星外野手(東農大三)も適時打を放つなど山村学園・鹿島から6点を奪う。

 一方、西部の反撃は4回表、この回からマウンドに上がった2番手・小島 智也投手(本庄)を攻め、無死一塁から3番・三上 漣内野手(西武文理)が右越えの適時二塁打を放つと、続く田中 悠太投手(武蔵越生)も中前適時打を放ち2点を返す。その後も攻撃の手を緩めず1死後、一、二塁から7番・首藤 諒祐外野手(川越東)が左越えの2点適時三塁打を放ち2点差。続く宮尾 泰雅外野手(ふじみ野)も左前適時打を放ち1点差。
 西部はさらに2死一、三塁から、この回2巡目となる2番・畠山 敦志外野手(市立川越)が中前適時打を放ち同点とすると、続く三上が左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放つなど、この回結局一挙8点を奪うビッグイニングを作り8対6と大逆転に成功する。

 これで流れをつかんだ西部がその後も攻撃の手を緩めず、5回表にも本山 朝翔内野手(所沢)のソロ本塁打などで得点を追加すると、その後も着実に得点を重ね結局20安打を放つなど、14対8で北部との壮絶な打撃戦を制した。

 この試合、一番印象に残ったのは、北部で先発した深谷商・鈴木だ。186センチ、92キロの恵まれた体格から最速138kmの直球を投じ、打ってはチームで4番に座り高校通算本塁打も20本を放つ。部員が11人ということもあり、これまで目立った成績を残せなかったが、この日はバックも堅く、鈴木は「気持ち良く投げることができた。点差をつけられても諦めないところはチームに持ち帰りたい」と言う。大学でのプレーも意識している彼が、今後どれだけ伸びるのか。楽しみだ。


<第1回埼玉県高校野球4地区選抜チーム交流戦:南部10-5東部>◇19日◇交流戦◇熊谷市民
東部:200 021 000 5
南部:001 232 20X 10
<バッテリー>
東部:永松(越谷東)、小林(杉戸)、一郎丸(春日部東)-齋藤(昌平)、松井(越ヶ谷)
南部:鈴木夕(浦和学院)、後藤(大宮工)、岡田(埼玉栄)、森川(大宮東)、清田(浦和実) -長谷川(立教新座)

三塁打:遠田(川口)
二塁打:遠田、本間(大宮北)

 2試合目は南部地区選抜(以下南部)vs東部地区選抜(以下東部)。南部は合同練習は1回のみ。一方の東部に至ってはこの日が初顔合わせで試合に臨む。

 緊張感のあるゲームとなった。

 先発は南部が浦和学院の1年生左腕・鈴木 夕稀投手、一方の東部は越谷東の長身右腕・永松 恒平投手である。

「先攻を取れたので開始5分で点を取るぞ」と、岩井監督に発破をかけられた選手達が期待に応えてみせる。初回、浦和学院鈴木夕の立ち上がりを攻め、1死一、二塁で4番・李 煕元外野手(春日部)が左前安打を放つと、これを左翼手が後逸する間に二者が生還。東部が幸先良く2点を先制する。

 だが、南部は3回裏、1死一、三塁から2番・曽根 稜介内野手(武南)が犠飛で1点を返すと、4回裏にも2死二、三塁から8番・遠田 恵果内野手(川口)が右越えの2点適時三塁打を放ち逆転に成功する。

 東部も5回表、1死一、二塁から4番・李が中前適時打を放ち同点とすると、さらに一、三塁からダブルスチールで再逆転し4対3とする。

 だが、南部はその裏、無死満塁から内野ゴロと5番・松尾 怜真内野手(西武台)の中前適時打、ダブルスチールなどで一挙3点を奪い6対4とすると、その後も得点を重ねる。

 投げては鈴木夕、後藤 脩投手(大宮工)、岡田 良介投手(埼玉栄)、森川 晟投手(大宮東)、清田 光投手(浦和実)と、小刻みな継投で東部の打線をかわし10対5で南部が勝利した。

 「真面目な話、本多さんと一緒のベンチに入るなんてないと思っていたのですが、僕にとっても新鮮というか込み上げるものもあったし。サインを出して本多さんとやり取りをさせていただいて。U-18でも(明徳義塾の)馬淵さんとやらせていただきましたが、埼玉県で一緒に戦っているもの同士でやるのとは意味が違うと思ってますので、そういう面では僕にとっても楽しい一日でした」と岩井監督は余韻に浸る。このような取り組みを続けていけば監督や選手の自然なコラボや交流も生まれるであろう。

 20日は東部vs北部、南部と西部が対戦する。

(取材=南 英博


東部地区

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齋藤 陽貴(昌平)

監督 岩井 隆花咲徳栄
責任教師 本多 利治春日部共栄
コーチ 柴田 悠宮代
コーチ 金子 章太郎白岡

須藤 奏投手(春日部工
一郎丸 弘輝投手(春日部東
小林 嵩英投手(杉戸
永松 恒平投手(越谷東
飯島 大聖投手(花咲徳栄
岡安 隼投手(開智未来
黒須 翔斗投手(鷲宮
八木 大輝投手(三郷工技
松井 健捕手(越ヶ谷
齋藤 陽貴捕手(昌平
新井 裕也内野手(越谷西
行田 奏斗内野手(草加東
若林 巧内野手(草加南
金子 和徳内野手(宮代
小山内 温音内野手(八潮南
島田 茉生内野手(久喜北陽
中野 天晴内野手(叡明
李 煕元外野手(春日部
岩城 航平外野手(越谷北
嘉戸 智也外野手(越谷南
平尾 拓翔外野手(春日部共栄
毛利 夢外野手(草加西

西部地区

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鹿島 駿吾(山村学園)

監督 荒木 良仁川越工
責任教師 岡野 泰崇山村学園
コーチ 福森 大地鶴ヶ島清風
コーチ 今井 惇平入間向陽

坂本 大起投手(豊岡
増田 己太朗投手(川越工
田中 悠太投手(武蔵越生
西山 修平投手(川越南
横尾 蒼空投手(飯能南
柳川 洋投手(埼玉平成
鹿島 駿吾投手(山村学園
前原 智希投手(山村国際
畠中 雄崇捕手(所沢商
松尾 龍門捕手(鶴ヶ島清風
見方 駿平捕手(狭山清陵
本山 朝翔内野手(所沢
夏原 由成内野手(所沢北
鈴木 獅子内野手(城北埼玉
三上 漣内野手(西武文理
柴野 嵐内野手(入間向陽
畠山 敦志外野手(市立川越
宮尾 泰雅外野手(ふじみ野
首藤 諒祐外野手(川越東


南部地区

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伊藤 充輝(浦和学院)

監督 辻川 正彦浦和実
責任教師 佐々木 秀一大宮北
コーチ 熊井 康二朝霞西
コーチ 佐藤 隼人浦和麗明

伊藤 充輝投手(浦和学院
清田 光投手(浦和実
岡田 良介投手(埼玉栄
森川 晟投手(大宮東
平田 良輝投手(細田学園
後藤 脩投手(大宮工
鈴木 夕稀投手(浦和学院
上田 健輔投手(浦和実
長谷川 健太捕手(立教新座
蓮實 悠人捕手(浦和麗明
沼田 龍勇捕手(南稜
木戸 結也捕手(大宮武蔵野
本間 大晴内野手(大宮北
曽根 稜介内野手(武南
金田 幸大内野手(西武台
遠田 恵果内野手(県川口)
村上 祥悟内野手(朝霞西
鈴木 文斗内野手(大宮南
馬淵 裕翔内野手(浦和東
鈴木 煌磨外野手(川口市立
渋谷 真之介外野手(川口青陵
別司 有隆外野手(志木
松尾 怜真外野手(西武台

北部地区

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池田 泰規(本庄東)

監督 瀧島 達也松山
責任教師 片野 飛鳥上尾
コーチ 板坂 将吾深谷商
コーチ 高田 敬太郎本庄東

竹間 康晟投手(熊谷
小島 智也投手(本庄
鈴木 百太投手(深谷商
田村 楓真投手(秩父農工科学
岡田 侑大投手(熊谷工
沢野 孝耀投手(熊谷西
板橋 楽玖投手(伊奈学園総合)
木戸脇 功樹投手(本庄第一
吉村 優輝捕手(熊谷商
山﨑 寛悠捕手(秀明英光
侭田 隼太捕手(深谷第一)
水野 颯太内野手(国際学院
西代 光璃内野手(桶川
山岸 裕弥内野手(松山
小井土 友駿内野手(滑川総合
駿河 咲希也外野手(上尾
田中 駿汰外野手(正智深谷
池田 泰規外野手(本庄東
川崎 大暉外野手(北本
寺山 壱星外野手(東農大三

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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