11月14日、埼玉高野連は第27回彩の国野球フェスティバルを埼玉県営大宮公園野球場で開催した。

 このイベントは埼玉高野連に加盟する浦和学院山村学園などこの夏、ベスト8以上となった学校から32名の3年生選手たちや、各学校の監督、顧問などが講師役となり、埼玉県の中学軟式野球部に所属する200名へ指導を行っていくもので、2019年以来の開催となった。

 開会式が始まり、4グループに分かれて、アップなどを行ってから、一塁、三塁ベンチ横のシートノック、打撃練習、投手はブルペン投球、また各野球部の監督による座学が行われた。

 ノックでは、ロッテから5位指名を受けた浦和学院金田 優太内野手が参加し、お手本を見せて、堅守の三塁手・八谷 晟歩内野手(浦和学院)が指導をするなど、中学生たちの刺激となっていた。また、打撃練習のグループではフリー打撃とティー打撃を分けて行い、山村学園のスラッガー・坪井 蒼汰内野手が励ましながら行うなど、微笑ましい場面もあった。

 全参加選手が打撃練習、投球練習を見ながら、アドバイスを行ったり、外野グラウンドではバントについて解説をしたりなど、丁寧に教えこんでいる姿が印象的だった。

 15時前には、参加している埼玉の高校球児たちがエキシビションとして、フリー打撃、シートノック、投球練習を披露。金田や、日本ハム育成指名の藤田 大清外野手(花咲徳栄)、山村学園のスラッガー・坪井が木製バットでも快音を響かせ、浦和学院のスラッガー・鍋倉 和弘内野手は高校生のパワーを強調するためにあえて金属バットで臨み、場外弾含む4本の柵越えを披露した。

 シートノックでは八谷など埼玉県を代表する内野手陣が軽快な守備を披露し、高山 維月捕手(浦和学院)が抜群の強肩を披露するなど、スタンドで見ていた中学生を釘付けにした。

 最も盛り上がったのは投球練習だ。中学生、そして参加した高校生がマウンドを取り囲むようにして見守る中、今年の埼玉を盛り上げた好投手たちが自慢の直球、変化球を投げ込んだ。

 金子 翔柾投手(花咲徳栄)が146キロ、石橋 凪人投手(武南)が143キロ、渡邊 新太投手(西武台)が142キロ、山田 翼投手(山村学園)が140キロと右腕4名は全員が140キロ超え。宮城 誇南投手(浦和学院)、伊藤 匠海投手(川越東)の好左腕コンビも130キロ後半の速球に切れ味抜群の変化球を披露し、中学生だけではなく、これまでの公式戦で戦ってきたライバルたちも「エグい」という声を挙げた。

 こうして大盛況で終わった今回のイベント。主催した高野連の役員、協力した中体連の先生方も有意義なイベントと総括し、参加した中学生から3年後、埼玉の高校球界で活躍し、再び今回のイベントで講師役として参加することを願っていた。また、中学生たちも高校での活躍を決意していた。

 金田は芝西中時代、軟式野球部に所属していたこともあり、中学生たちに親身に接していた。

 「僕は中学時代、軟式野球部だったので、分かるのですが、中学生から始めた選手もいて、経験が少ない選手もいます。そういう子たちには、接する時間を長くしたり、実際にお手本を見せることを意識しました」と語る。また日本ハム育成指名の藤田も「バントのやり方について解説したり、教えることは難しいのですが、勉強になりました」と振り返った。

 熱心に指導し、中学生を励ましながらやっていた坪井は「人に教えることは、アウトプットすることなので、難しかったのですが、とても勉強になりました。また教えたことに対してできるようになっていて、中学生はすごいなと思いました」と参加した中学生たちを褒めていた。

 イベント終了後、参加した高校球児たちが別のチームの選手たちと親睦を深める様子があった。

 3年越しに実現し、大きく盛り上がったこのイベント。中学生にとっても、高校生にとっても思い出に残るイベントになったことは間違いない。