仙台育英(宮城)の優勝で幕を下ろした夏の甲子園。チームはもちろん、東北勢としても初となる優勝で、歴史に残る大会となったが、それは大会結果だけではなかった。

キャッチャーミットに大きな変化が


 選手たちが使用している道具の傾向を、独自調査で集計していくと、キャッチャーミットに大きなトレンドの変化が見受けられた。

 キャッチャーミット市場を見渡すと、人気を博しているのは、ハタケヤマやゼットだろう。
 日本代表でも活躍し、東京オリンピックで金メダルを獲得したソフトバンク・甲斐 拓也捕手(楊志館出身)はハタケヤマ。巨人で正捕手としても活躍した実績がある小林誠司捕手(広陵出身)がゼットを使っていることもあり、アマチュア球界では人気となっているといっていい。

 特にゼットは、2021年の夏の甲子園のシェアを独自調査した際は41.7%を記録するなど、多くの球児たちが愛用するほどだった。

 しかしこの夏、再び独自調査をすると、最も多くのキャッチャーが使っていたのはミズノとなっていた。割合にして51.0%と半数近くという結果が出た。ミズノは2021年大会では25.0%という集計結果が出ていたことを考えれば、大きく飛躍したが、これまで市場のトップを走ってきた2社も黙っていないだろう。

 仙台育英が東北勢を達成したのと同じく、キャッチャーミットの市場においては、今大会は節目となったはずだ。さらに言えば、2022年より號(さけび)シリーズと呼ばれる新たなミットをミズノが発売させており、2023年以降、さらに勢いづくことも考えられる。今後も市場の変化には注目していきたい。



甲子園でのシューズの使用割合

 その他を見ていくと、白スパイクの使用が認められて脚光を浴びているスパイクをはじめとしたシューズを見ても、104回大会はミズノが40.8%とトップの数字が出た。次いでエンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)らと契約を結んでいるアシックスで24.5%。そして西武・源田壮亮内野手(大分商出身)などがアドバイザリープロスタッフとしているゼットで22.4%の結果が出てきた。

 数字上ではミズノが高いシェアを記録したが、近年軽量スパイクや球速が上がる投手用スパイクなど幅広いラインナップが魅力。特に軽量スパイクについては「(ミズノから)こんなに軽いスパイクが出ているのは知らなかった」と驚きの声が上がっており、ミズノのブランドイメージが少しずつ変化してきているようだ。

 ただアシックスでは塁間に特化した軽量スパイク。さらにゼットでは足への負担を減らしたブロックソールスパイクなど、各メーカーがコンセプトを持ったシューズを選手たちに向けて販売している。どれも選手ファーストの信念のもとで作られた素晴らしい性能を搭載したスパイクばかり。キャッチャーミット同様に、各社が切磋琢磨して今後も市場を盛り上げてくれることを期待したい。

 今回はキャッチャーミット、そしてシューズを取り上げたが、その他のアイテムを見ても、各チームが様々なメーカーの道具を手にして、甲子園で奮闘した。
 各メーカーがしのぎを削っている以上、流行は目まぐるしく変わるものだ。104回大会で人気だったものが、105回大会、もっといえば次のセンバツでも同じトレンドとは限らない。高校球児たちの心を射止め、次に人気を博すアイテムは何か。どんな行方になるのかも1つの楽しみにしたい。