8月6日に開幕した第104回全国高校野球選手権大会。毎年多くの好投手が甲子園で躍動し注目されるが、今回は過去5年の完封一番乗りの投手に注目していく。

 5年前の第99回大会で完封一番乗りの投手になったのは、聖光学院(福島)のエース齋藤 郁也投手だった。1回戦のおかやま山陽戦で完封を記録。大きなテークバックから140キロ前後の速球と切れのあるスライダーとチェンジアップで、おかやま山陽打線を圧倒。被安打5、12奪三振の内容で勝利した。齋藤はこの大会、聖光学院のベスト16進出の大きな原動力となった。

 第100回という節目の記念大会となった2018年。この年に甲子園で最初に完封したのは前橋育英(群馬)のエース恩田 慧吾投手だ。最速145キロの速球とカーブ、スライダーを自在に操る本格・技巧の両方の面を併せ持つ恩田は、前橋育英の武器の1つでもあるバント阻止などの味方の好守に盛り立てられて、近大附(大阪)相手に完封勝利を収めた。

 第101回大会で最初に完封したのは、この年の大会で躍動した星稜(石川)・奥川 恭伸投手(現ヤクルト)だ。旭川大高(北北海道)との1回戦で1-0の完封勝利。初回にこの日最速153キロを記録した奥川は、旭川大高打線を相手に3安打、9奪三振。抜群の制球力を武器に速球やスライダー、チェンジアップをコースいっぱいに投げ切る圧巻の投球だった。

 新型コロナウィルスの影響により大会の開催が中止となった第102回大会。この年は2020年甲子園高校野球交流試合と称し、こちらも中止となったセンバツに出場が決まっていた学校が各校1試合ずつ甲子園で戦った。この交流試合では多くの学校で複数の投手がマウンドに上がり、また完封の試合も1試合のみだった。唯一、相手打線を0点に抑えたのは創成館(長崎)で、3人の投手による継投だった。

 2年ぶりの開催となった第103回大会。この大会で完封一番乗りを成し遂げたのは日本航空(山梨)のヴァデルナ フェルガス投手だった。序盤は東明館(佐賀)打線を相手に走者を背負う投球が続いたが、要所で打者のタイミングを外しピンチをしのいだ。188センチの長身で、長い腕をしなやかに振り、最後まで外角へ投げ続けた結果、公式戦初完封を甲子園で達成した。

 今年の第104回大会で完封一番乗りを果たしたのは海星(長崎)のエース・宮原 明弥投手(3年)だ。大会3日目の日本文理(新潟)との試合で登板した宮原は、安打や四球で何度もピンチを作ったが、味方の堅い守備や要所で三振を奪い日本文理打線に得点を与えない。最速147キロの剛腕投手でありながら序盤のピンチでは外角のスライダーで連続三振を奪うなど、9奪三振うち7個の三振がスライダーで奪ったものだった。

 今大会も、これから続々と好投手が登場してくる。今年の大会ではいくつの完封劇を見ることができるだろうか。注目投手達の投球に、これからも目が離せない。

(記事=編集部)