全国の頂点を目指し、王者を倒すまでは負けられない6チーム
優勝旗を受け取る近江の山田陽翔主将
日程・結果一覧
・2022年夏(第104回甲子園)の抽選結果
・第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧
・甲子園注目選手
第104回全国高校野球選手権が6日から、阪神甲子園球場で開催される。すでに組み合わせ抽選も終わり、各代表校のナインたちは初戦に向けて最終調整に入っている。ナインのなかには、以前の試合で負けた悔しさを胸に、この甲子園に臨んでいる選手も多いだろう。それをモチベーションに、ここまでやってきた選手もいるはず。1度負けた相手と再び対戦することになったら絶対に負けない。その相手ともう一度、対戦して今後は勝ちたい。そう思うのは当然のなりゆきだ。
その相手が今大会の優勝候補、大阪桐蔭だとすれば、その気持ちは、なおさら強いと思う。新チームとなった昨年秋から、公式戦で大阪桐蔭と対戦したことがあるチームで、今大会に出場しているのは、智辯和歌山、近江(滋賀)、九州国際大付(福岡)、鳴門(徳島)、敦賀気比(福井)、天理(奈良)。そのなかで勝利したのは智辯和歌山だけで、他の5チームは勝ったことがない。近江は今センバツと春季近畿大会で2度対戦し、ともに敗れている。近江が大阪桐蔭へのリベンジの気持ちを強く持っているのは当たり前だ。唯一勝利している智辯和歌山としても、夏甲子園連覇を達成する上で倒さないといけない相手だということは心得ている。
抽選の結果、大阪桐蔭と対戦した6チームは、準々決勝までは大阪桐蔭と対戦しない。8強入りして対戦が実現するまでは負けられない。その「負けられないチーム」同士の対決となったのが近江VS鳴門。2度敗れた近江と、今センバツで大阪桐蔭を一番苦しめたとされている鳴門が対決する。局面だけを見れば、近江の投打の中心、山田陽翔投手(3年)と、エース左腕・冨田遼弥投手(3年)の対決も、なかなか見応えがある。このブロックには天理もいる。3チームのなかで大阪桐蔭への挑戦権を勝ち取るチームが現れるのか。近江と鳴門の激突は、その「第1ラウンド」になる。
個人的には8強に、大阪桐蔭をはじめ、智辯和歌山、九州国際大付、敦賀気比と、近江・鳴門・天理のいずれかが、それぞれ勝ち上がって、準々決勝で対戦する試合が見たい。目標とされる大阪桐蔭の「負けられない」プレッシャーも相当なものだろうが、大阪桐蔭にリベンジするまで「負けられない」チャレンジャーのモチベージョンが、甲子園でどんなプレーになって現れるのかが楽しみだ。